【酔っ払い対策】タクシー運転手必見!飲酒しているお客さんの対応マニュアル

タクシードライバー 酔っ払い 対応

投稿日:2021年11月26日 | 最終更新日:2023年2月1日

タクシー運転手の仕事をしていると、お客様との間にトラブルが発生することがあります。そのトラブルの中でも特に運転手を困らせているのが、お酒に酔っているお客様への対応です。酔っ払っているお客様は正常な判断能力を失っており、思わぬトラブルが発生することがあります。

今回の記事では、酔っぱらっているお客様の種類や対処法についてを詳しく解説していきます。これからタクシー運転手を目指している人や、飲酒しているお客様の対応で困った経験があるドライバーの人はぜひ参考にしてください。

とは言え、酔っている方の対応は何もマイナス面だけではありません。対応方法によってはチップを頂けるケースもたくさんありますし、チップだけで月に1万以上を頂くドライバーもいます。興味がある方は以下にもアクセスしてみてください。

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この記事を読んだらわかること

☑酔っ払い客にはどんな種類がある?
☑酔っ払い客への対処法
☑酔っ払い客を避ける方法はある?

飲酒しているお客さんにも種類がある

タクシー 酔客

酔っ払っているお客様と一口にいっても、飲酒をしているお客様の中にも色々なパターンがあります。飲酒客にはどんな人がいるのか例を挙げて解説をしていきます。

ほろ酔いの人

まず1つ目のパターンは、しっかりと意識があり会話もできるほろ酔い程度のお客様です。会社の飲み会や接待終わりなど、終電が過ぎる前の時間帯に拾うお客様はほろ酔いの人が最も多いです。

ほろ酔いのお客様は、少し気分が上がっていてタクシー運転手と積極的に会話をしようとしてくるか、大人しく座っているだけかのどちらかであることが多く、普通のお客様への対応とほとんど変わりません。

意識もはっきりしているので、大半の人は乗車から支払いまで問題なく済ませてくれます。会話に受け答えをしながら目的地まで送り届ければトラブルに発展することはほぼないでしょう。

目的地を伝えて寝る人

2つ目のパターンは、乗車後に目的地を伝えてすぐに眠ってしまうお客様です。特に目的地までの距離が長い人は、すぐに着かないからと気を抜いて眠ってしまうことが多いです。基本的には大人しく眠っているだけのお客様が大半なので、きちんと目的地まで運送ができれば問題はありません。

ただし目的地に到着して起こした後で「タクシーを利用した記憶がない」とごねる人もいるのでその点は注意が必要です。また、熟睡してしまっていて、声掛けをしてもなかなか起きてくれないお客様もいます。タクシー運転手はお客様に触れてはならないというルールがあるため、声掛けだけで起こさなければいけません。

なので支払いが終わるまでは気を抜かずに対処する必要があります。

同乗者がいる人

飲酒をしているお客様には素面の同乗者がついていることもよくあります。飲酒をしている方のお客様が酔って寝ていたりしても、目的地を聞いたり支払いのやり取り等は全て同乗者のお客様と行えば問題はありません。

ただし注意をしておかなければならないのが、酔っぱらっているお客様を残して同乗者の人が先に降りてしまうパターンです。その場合は、同乗者の人が降りてしまう前に残っているお客様の目的地を聞く必要があります。

酔っ払っているお客様が寝てしまっているときは、可能であれば同乗者の人に起こしてもらってから降車して頂くようにしましょう。

泥酔状態の人

タクシー運転手を困らせるのが、お酒を飲み過ぎて泥酔状態になっているお客様です。泥酔しているお客様には、千鳥足で歩行がままならなかったり、気が大きくなって発言が支離滅裂になっていたり、目的地を一向に伝えず運転手に絡んできたりと様々なパターンがあります。

泥酔したお客様とはトラブルに発展する可能性が高いため、乗車させるときは一番気を付けなければいけません。もしお客様がタクシー車内で嘔吐してしまったら、その後の営業ができなくなり売上にも影響が出てしまいます。

ただし、嘔吐寸前であると誰が見ても分かるような状態であれば、乗車をお断りすることも可能です。

暴力的な言動になる人

泥酔状態のお客様に続いて気を付けなければならないのが、暴力的な言動になっているお客様です。明らかにイライラしていたり、タクシー運転手を怒鳴りつけたり、物を叩いたりなどが暴力的な言動になっている人の特徴です。

こういったお客様にはあくまで冷静に対処しなければなりません。後からクレームを入れられないためにも、目的地をはっきり聞いて最短ルートでタクシーを運転するようにしましょう。

酔っ払ったお客様がタクシー運転手に暴力を振るったり、車内の物を壊したりといった事例は実際にあります。そうならないためにも、速やかに仕事をこなすことだけを考え、トラブルに発展しないように細心の注意を払いましょう。

飲酒しているお客さんへの対処法

タクシードライバー 接客

飲酒をしているお客様の中で特に厄介なのは深酒をしている人です。ここでは泥酔状態になっているお客様への対処法を解説していきます。

こまめに話しかける

繁華街でお客様を拾うときは、まずはお客様の状態を確認します。意識がはっきりある人なら普通の営業とほぼ変わりないのでいつも通りの対応で問題ありません。千鳥足だったり、体調が悪そうだったり、眠ってしまいそうだったりするお客様は深酒をしている可能性が高いので注意が必要です。

酔ったお客様を乗せたときは、運転中にお客様にこまめに話しかけ、どんな状態なのかを把握しておきましょう。目的地までの道のりが合っているか、体調は大丈夫か、嘔吐しそうではないかなどお客様の状態を常にチェックしておくと安心できます。

ただし、普通に眠っているだけの人も中にはいるので、あまりに話しかけすぎるのも禁物です。お客様の様子を見ながら臨機応変に対応してください。

会社に連絡をする

酔っ払ったお客様と何かしらのトラブルが発生した場合、自分だけで解決できなさそうなことであればすぐに会社へ連絡を入れましょう。例えば、目的地に着いた後で「乗った記憶がない」と怒り出したり、「お金を持っていない」とお金を払おうとしなかったりといったことはよくあります。

タクシー運転手が説得をしてトラブルが収まるならそれが一番良いのですが、支払いに関することは自力で解決しようとするとややこしいことにもなり兼ねません。

また、お客様が乗ってきたときの状況を見て、トラブルに発展する可能性があると感じた場合はあらかじめ会社に連絡を入れておくのも一つの手です。

警察や救急車を呼ぶ

酔っ払ったお客様が意識を失っており、声掛けをしても起きないときや反応が全くないことがあります。その場合は急性アルコール中毒になっている可能性が高いため、すぐに救急車を呼びましょう。救急車が到着した後はそのまま病院に引き渡せば大丈夫です。

それとは反対に、酔っぱらって暴力的な言動になっているお客様に対しては、酷いようならすぐに警察に通報してください。とはいえ運転中に電話をかけるのは難しいので、交番を探しながらタクシーを走らせるのもおすすめです。

上記のような例は良くあるトラブルとして想定されているため、病院や警察に引き渡したお客様の支払いに関することがどうなるのかは会社ごとに規定が決められています。

ドライブレコーダーで記録しておく

お客様との間で何かしらのトラブルが発生した際、タクシー運転手側に非がないことを証明するのに役に立つのがドライブレコーダーです。最近ではタクシー車内にドライブレコーダーを設置する会社が増えてきています。

ドライブレコーダーに映像が残っていれば、酔っ払ったお客様から「乗った記憶がない」と言われたとしても乗車した証拠として活用することが可能です。他にも、車内での器物損壊や運転手への暴行も記録が残っていれば法的措置を取ることも可能になります。

また、タクシーに設置されているドライブレコーダーは音声の記録を残すこともできます。お客様と口論になった際は、後から不利にならないためにカッとならず冷静に対処するよう心掛けましょう。

飲酒しているお客さんを避ける方法は?

タクシードライバー

泥酔したお客様とのトラブルは可能であれば避けたいものです。ここではそもそも酔っ払ったお客様自体を避ける方法があるのかどうかを解説していきます。

繁華街を避ける

酔っ払ったお客様が多いのは、飲み屋やバーなどが集まる繁華街のエリアです。特に深夜ともなれば終電を逃したお客様が増えてきます。なので、繁華街エリアを避けて営業をすれば、酔っ払ったお客様を拾う確率はかなり低くなります。

ただし、深夜に営業をしているタクシー運転手にとって繁華街は稼ぎやすいスポットでもあります。深夜は割増料金になるため、稼ぎやすい時間に稼ぎやすいスポットでの営業を逃すのは少しもったいないかもしれません。売上を伸ばすためには、繁華街での営業を完全に避けて通ることは難しいです。

繁華街エリアをどうしても避けたいのであれば、朝から昼間にかけての営業を頑張ったり、深夜にお客様を拾いやすいスポットを見つけるなど売上も確保できるような工夫が必要です。

乗車拒否をする権利

タクシー運転手は基本的にお客様の乗車を拒否する権利はありません。こちらは法令によって決められており、理由もなく乗車拒否をした場合には100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

そのため、お客様が酔っ払っていたとしても、タクシー運転手は乗車を拒否することはできないのです。下手に乗車を断れば法令違反で訴えられるかもしれません。

しかし、その法令には例外も定められています。例えば酔っ払ったお客様が明らかに嘔吐寸前の状態であったり暴力的であったり、業務や安全運転を阻害するような状態の場合のみ乗車をお断りすることが可能となっています。

タクシードライバーが酔客の対応で一番大事なこと

ここまで酔っているお客様の対応や考え方に関してどちらかというと保守的な考え方をお伝えしましたが、酔ってるお客様だけではなく、タクシーを利用されるお客様全般に通用する一番大事な心構えをお伝えします。

それは接客のゴール設定(心構え)を「お客様に満足をしていただく」というものにするのです。

酔っているお客様や気難しいお客様、急いでいて煽ってくるようなお客様などに乗車された場合、「腫れ物には触らないようにしておこう」という心理状態になる傾向にあります。そうなると声が小さくなってしまったり、必要最低限の会話だけにしておこうとして目的地だけ伺い、経路の確認を省いてしまう。

ドライバーが良かれと思い選択したルートとお客様が思い描いていたルートがかみ合わなくなり、

結果お客様の逆鱗に触れてしまうということが起きてしまいます。

これはそもそもの接客のゴール設定(心構え)が「お客様を怒らせないようしよう」という感覚が根底にあるからこそ、起こりえる事態と言えます。

逆に「お客様に満足していただく」という心構えでいると上記のようなお客様に満足していただくために何を求めてるのか?を伺うので、結果としてトラブルが起きにくくなります。またお客様のご要望を満たす可能性も出てくるので冒頭に挙げたようにチップを頂ける確率も生まれてきます。

トラブルが起きそうな酔っているお客様、

しかし心構え一つでお客様を怒らせてご自身も嫌な思いをしてしまう。

一方で喜んでいただき、チップを頂ける可能性も生まれてくる。

貴方ならどちらを選びますか?

【まとめ】飲酒しているお客様への対処法を覚えておこう

タクシー 酔っているお客様 対応 まとめ

タクシー運転手の仕事をしていると、酔っ払ったお客様に遭遇してしまうことは必ずあります。特に深夜の時間帯に営業をしている運転手でれば、今回紹介したトラブルは日常的に起こり得ることです。そんな時に冷静な対応をするためには、飲酒客への対処法をあらかじめ把握しておくことが大切です。

酔っ払ったお客様の中にも色々なパターンがありますので、あらゆるトラブルを想定しつつ、実際にトラブルが起きたときは臨機応変に対応してください。何事にも経験や慣れが必要です。ぜひ経験を積んでベテランドライバーとして成長していってください。

この記事のまとめ

☑深酒しているお客様には要注意
☑暴力的な言動になるお客様もいる
☑一人で解決できないことは公的機関や会社に連絡を入れる
☑お客様の状態によっては乗車を断ることも可能
☑酔っているお客様とトラブルになるかどうかは実はドライバー次第

プロフィール

プロフィール
29歳から東京でタクシードライバーとしてデビュー。
最高売上は130万。「オレンジ戦隊改めサクラ戦隊」のブログでタクシーの営業ノウハウ等を中心に情報発信。
蓄積した情報を体系化したプログラムを考案し、大手タクシー会社の教育カリキュラム作成等に従事。
現在タクシー会社数社で人材育成で顧問契約。
入社後のアフターサービス特化型のタクシー転職支援サイト「プロタク」(pro-taxi)に2019年より在籍。
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