クレームをもらいやすいタクシー運転手の特徴とは?事例を元に対応策も紹介!

投稿日:2020年9月1日 | 最終更新日:2020年9月1日

タクシー運転手の仕事をしていると、お客様からクレームをもらうことがあります。なるべくクレームが出ないように対応をしていても、後から出てくるといったこともよくあることです。しかし、接客に気を遣っていればクレームを最低限にまで抑えることが可能です。

今回の記事では、クレームをもらいやすいタクシー運転手の特徴を紹介し、その上で具体的な事例を元に対応策を紹介していきます。事前にしっかりと対処法を頭に入れておけば、クレームが入ることも少なくなります。クレームに悩んでいるタクシー運転手の人や、転職を検討しているけどクレームが怖いという人はぜひ参考にしてください。

この記事を読んだらわかること

☑クレームをもらいやすいタクシー運転手の特徴
☑実際のクレームを元にした対応策
☑クレームが会社に入ったらどうなるのか

こういうタクシードライバーはクレームをもらいやすい

タクシー運転手はお客様を乗せて運送をする仕事ですので、接客スキルも大切です。ここではクレームをもらいやすいタクシー運転手の接客態度について紹介をしていきます。

素直に謝らない・非を認めない

クレームの中で最も多いのが、お客様が不快だと感じたときにタクシー運転手が非を認めず謝らないというパターンです。どんな理由であれ、不快にさせてしまったときに謝罪をしなければ、お客様の不要な怒りを買ってしまう恐れがあります。

そのため、悪気はなかったとしても、お客様を不快な気分にさせてしまったときに謝罪をしないというのは絶対にNGです。謝罪の気持ちを伝えるだけでも、お客様の心持ちは変わります。

無愛想・無口で寡黙

無口すぎたり、お客様への態度が無愛想だったりすると、接客態度が悪いと見られクレームに繋がることがあります。お客様に話しかけられているにも関わらず、無愛想に対応したりほとんど受け答えをしないというのは、不信感を抱かれる原因になってしまいます。

お客様とのコミュニケーションが不十分だとクレームが入りやすくなります。笑顔を見せたり、話しかけられたことに対してきちんと受け答えをしたりと接客に前向きな姿勢を見せることが大切です。

弱々しく見える・おどおどしている

気弱そうに見えたり、おどおどした様子を見せているタクシー運転手は、クレームを言いたがるお客様に付け込まれやすいタイプです。

また、挙動不審な態度は頼りないドライバーであるという印象を与えることにもなり、しっかり仕事をしてくれるのか?という疑問を抱かれかねません。弱々しい態度はお客様から無駄な不信感を買ってしまう恐れがあります。

実際に受けたクレームを元にした対応策

それでは実際にタクシー運転手が過去にもらったクレームの例をもとに回顧しながら、どう対策すれば良かったのかを検討しました。クレームの体験談とそれに対する対応策を紹介していきます。

【ケース1】泥酔したお客さんが到着寸前に暴れた

私は都内のタクシー運転手で、その日は深夜の繁華街で営業をしていました。タクシーを走らせていると、少し先の方で手を挙げているお客様を発見、ゆっくり車を寄せると酒に酔っ払った男性のお客様だということが分かりました。

意識はあるようでしたのでそのままお客様を乗せ、目的地を聞いてからタクシーを走らせ始めました。かなりの長距離だったので、しばらく経つとお客様は後部座席で寝込んでしまっていました。

小一時間ほどで目的地周辺まで辿り着き、声をかけたところ、目を覚ましたお客様は「まだ終電がある時間なのにタクシーに乗るはずがない」「記憶がないのをいいことに無理やり乗せられた」と唐突に暴れ始めたのです。結局どうにかなだめることはできましたが、手を上げられそうにもなり恐怖を感じた体験でした。

対応策

泥酔したお客様への対応策として、まず社内で言い争いに発展しそうな場合は安全を考えて路肩に停車することを最優先にします。そしてその上で自分自身の身を守ることを第一に考えましょう。できる限り刺激をしないよう、落ち着いてお客様をなだめてください。

それでもお客様が怒り続けている場合は、車内に防犯カメラが備えられているということをさり気なくアピールしましょう。もしお客様に暴力を振るわれそうになったり、車内のものを壊されそうになったときは安全を考え警察へ連絡することも検討する必要があります。

なお泥酔したお客様が暴れるケースは稀です。たいていは言い争い程度で終わるものなので、あくまでも落ち着いて冷静に対応するようにしてください。

【ケース2】とにかく急いでいるお客さんに信号無視を要求された

平日の昼間、都内のオフィス街でタクシーを走らせていたときのことです。スーツを着た重役風の若いサラリーマンの男性がお客様として乗車してきました。初めから慌てた様子で「飛ばしてほしい」という要求を受けました。

こちらも法定速度ギリギリで精一杯運転をしていたのですが、お客様は「このままじゃ間に合わない」と焦り始めていました。タイミング悪く信号に引っ掛かり、人通りの少ない横断歩道で停車したところお客様から信号無視をするように要求されました。いくら人通りがないとはいえ信号を無視するわけにはいかず、お断りするとお客様は不機嫌な様子に。

その後、どうにか時間ギリギリでお客様を目的地まで無事に送り届けることはできましたが、終始不機嫌な様子でした。きちんと納得してもらえるよう、もっと丁寧に説明していれば良かったかと反省しています。

対応策

お客様から交通違反を指示された場合、もちろんその要求に応えるわけにはいきません。対策としてはまずは気丈に諭すことが重要です。交通規則を無視すれば、自分だけでなく会社やお客様自身にも迷惑が掛かるということをしっかりと説明してあげましょう。

交通規則を無視しているところを警察に検挙されると、違反指示を出したお客様も「教唆犯」として処罰を受ける可能性があります。どうしても納得してもらえないときは、その辺りのことも交えて説明をしてみてください。

こちらのケースも、車内の防犯カメラや撮影中シールなどの普及の影響もあり、起こることは稀です。もし交通違反を指示されたときは、要求には応えず丁寧に説明するということを頭に入れておきましょう。

【ケース3】道に迷ってしてしまいメーターが高くなってしまった

その日は偶然普段の営業エリアから少し離れた場所でタクシーを走らせていました。自分の持ち場に戻る途中で男性のお客様が乗車してこられ、目的地を伝えられたのですが、聞き覚えのない場所でした。

お客様からだいたいの方面を聞き出し、タクシーを走らせ始めたのですが、慣れない場所だったので道に迷ってしまい走行距離が増えてしまったのです。最短距離で目的地まで行けなかったのは申し訳なかったのですが、お客様にはその場ではメーター分の料金をお支払いいただきました。

しかしその後、私が道に迷った件で「ぼったくられた」と会社にクレームが入りました。後のことは会社が対応をしてくれたのですが、料金が高くなってしまったことをその場でもっと丁寧に謝罪していれば、後々のクレームはなかったかもしれません。

対応策

慣れない場所で営業をしており、走行距離が長くなってしまうというのは新人ドライバーによくあることです。対策としては、遠回りになったときにはお客様に対して素直に頭を下げて謝罪することが重要です。

また、料金が大幅に上がりそうなときは到着前にメーターを止めてあげるなど、お客様に対して誠意を示すようにしましょう。タクシー運転手の対応が良ければ、多少料金が上がっていても納得してくれるパターンもあります。

クレームが入った後のやり取りはお客様にもよるのですが、こちら側の非なので交渉次第では応じる必要もあります。会社にクレームが入らないよう、その場でできる限りの対応をするようにしてください。

実際にクレームが入ったらどうなるの?

それでは会社の方に実際にクレームが入った場合どうなるのかを解説していきます。

匿名と実名で扱いが変わる

タクシー会社にクレームの電話を入れる際、お客様は実名か匿名かを選ぶことができます。実名クレームと匿名クレームとでは重要度に大きな差があります。

匿名クレームの場合、お客様の素性が分からない状態であるため、お客様が言っていることが本当なのか後から事実確認を取ることができません。そのため匿名クレームはあまり重要視されておらず、タクシー運転手も多少の注意を受ける程度で終わります。

実名クレームの場合、タクシー会社は相手を正当なお客様であると認識するため、しっかりとした事実確認を行います。クレーム内容の重さにもよりますが、場合によってはタクシー運転手と会社の責任者を呼び出して聴取を行うという場合もあります。

クレームを回避するためには誠実に謝罪する必要がある

会社にクレームが入る原因としては、タクシー運転手の謝罪や賠償の提案にお客様が納得していないという場合が最も多いです。タクシー運転手の対応次第では会社へのクレームを回避することができます。

クレーム処理は会社には持ち越さず、その場で済ませられるのがベストです。無用なクレームが入らないようにするためにも、何らかのミスでお客様に迷惑を掛けた場合には誠心誠意謝罪をしましょう。

謝罪の意思がしっかりと伝われば、怒りをおさめ納得してくれるお客様もいます。トラブルが起きたときにはお客様ときちんと向き合い、誠意を持った対応を心掛けるようにしてください。

お客さんが不安になる要素を知って優良なタクシー運転手を目指そう!

タクシー運転手の仕事をしていると、お客様との間にトラブルが起きることは避けられないものです。トラブルができるだけ起きないように気を付けることも大切ですが、対処法や対応策を頭に入れておき、実際にトラブルが起きたときに冷静な対応ができるようにしておくと安心して仕事に臨めます。

重要なのはお客様に満足してもらえるサービスを提供することです。お客様の満足度が高ければクレームが入ることはまずありません。今回紹介した体験談や対応策を踏まえつつ、お客様には誠意を持った接客をするように心掛けてください。

この記事のまとめ

☑クレームが入ったときは素直に謝罪をする
☑怒っているお客様は冷静になだめ身の安全を第一に考える
☑交通違反の指示には従わず、諭して納得してもらう
☑会社へのクレームは匿名と実名で重要度が違う
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