タクシー会社の大手と中小の違いとは?それぞれの転職メリット・デメリットも

投稿日:2020年4月23日 | 最終更新日:2020年7月10日

タクシー会社への転職・就職を検討する際、大手タクシー会社がいいのか、それとも中小規模のいわゆる準大手がいいのか迷ってしまうという方は少なくありません。そこで今回は大手タクシー会社と中小タクシー会社をリクルートの観点で比較していきます。それぞれの規模のタクシー会社に就職するメリット・デメリットを中心に、転職先の検討がしやすくなる情報をわかりやすくお伝えしますのでご期待ください。

この記事を読んだらわかること

・大手タクシー会社とは?
・大手タクシー会社に転職するメリット・デメリットとは?
・中小タクシー会社とは?
・中小タクシー会社に転職するメリット・デメリットは?
・それぞれの希望条件によって選ぶべき会社は異なる

大手タクシー会社とは?

大手タクシー会社と言っても、特に数字などを用いて定義されているわけではありませんが、一般的には知名度が高い老舗企業で、登録している乗務員や車両台数が豊富なタクシー会社のことをいいます。東京で言えば誰しもが知る最大手4社が大手と見なされています。大手タクシー会社の多くは従業員を数百ないし千人単位で抱えており、勤務形態や労働環境がシステマティックに管理されているのが特徴です。

大手タクシー会社に転職するメリット・デメリットとは?

規模の大きなタクシー会社に転職すると、どんな長所・短所があるのでしょうか?ここでは大手タクシー会社で働くことのメリット・デメリットをポイントごとにご紹介していきます。

大手タクシー会社に転職するメリットとは?

まずは大手タクシー会社に転職・就職した場合に得られるメリットについて解説します。規模が大きいからこそカバーできる点に注目してください。

待遇が良い

大手タクシー会社はそのブランド力や実績により顧客を多く抱えています。もともとの資金力に加え、稼ぐためのさまざまな手段・導線があるため安定的な売上が望めます。それらの手段には例えば次のようなものがあります

・ホテル等に専用のタクシー待機レーンを持つ
・大手企業や店舗などに顧客無線がある
・大手共通タクシーチケットがあり自ずと需要が保たれる
・流し営業・迎車・予約などにおいてもブランド力があるためユーザーから選んでもらえる

人気のある会社はこのように大手ならではの特長を活かしてユーザーニーズ・お客様をお乗せする機会を獲得しているので、その分給与も厚遇される傾向にあります。また、人員が豊富なため、急病や急用などでシフトを変更したい場合などに聞き入れてもらえる可能性も高まります。

サポート体制が手厚い

大手は資金力や人材の多さを活かして、新人の教育・育成を手厚くしている会社が目立ちます。これには有名ブランドとしての価値を下げないよう、優良ドライバーを育てなければならないという本音もあるようです。実践的な研修はもちろんのこと、二種免許未取得の場合には資格取得を費用面でもサポートする企業がほとんどとなっています。

福利厚生が充実

会社の規模が大きいと自ずと設備が充実し、運転手をはじめ従業員用の休憩・仮眠室や浴室の整備などが行き届いています。また都心部では、地方から出てきたタクシードライバーのために寮や社宅を完備している会社も少なくありません。他にも社員旅行や保養施設を用意しているケースもあります。さらに福利厚生だけでなく、話題のタクシー専用車両JAPANTAXIを既に導入している会社も見られます。

大手タクシー会社に転職するデメリットとは?

大手タクシー会社で働くとさまざまなメリットがあることを解説しましたが、メリットの陰にはデメリットもまた存在することを知っておきましょう。

給与の歩合率が良くない場合もある

大手タクシー会社は総じて待遇が良い傾向にあるものの、抱えている人員や設備が多い分必要経費も桁違いにかかります。特にフランチャイズ展開している企業では、「本体」と「フランチャイズ」とを比較した場合、本体の方がさまざまな部門・部署が多数ありドライバー以外の内勤社員数も膨大です。大手と一口に言っても、本体に所属すると運営費がかかっている分だけ乗務員に分配される給与はやや低くなる可能性もあります。

管理体制がシビアで場合によってはノルマも

大手タクシー会社の中には、1日の売上などに関して事実上のノルマを課す企業もあります。また、東京では都心部に顧客が集中することから、会社から乗務員に対して営業エリアを指定されることも珍しくありません。大手と一口に言っても、それぞれの会社ごとに営業戦略が違うのはもちろん、先ほどご説明したように本体なのか一営業所なのかによっても乗務員への管理体制は異なります。また、規模が大きすぎると、むしろ管理が行き届かずノルマを課すこともできないという会社もあります。

中小タクシー会社とは?

準大手などとも呼ばれる中小タクシー会社は、概ね総従業員数100名未満の会社を指して呼ぶことが多いでしょう。多くは30名にも満たない従業員で運営されています。実は全体の9割以上をこの中小タクシー会社が占めているのがタクシー業界の現状です。ただし、知っておいていただきたいのは、経営を存続させるために大手企業の看板を借りて営業を行うフランチャイズ会社も中小としてカウントされているので、同じ中小タクシー会社の中でも、ブランド力や売上にバラつきが見られるのも事実です。

中小タクシー会社に転職するメリット・デメリットは?

ここでは中小タクシー会社に転職・就職した場合にメリット・デメリットと感じるポイントをご紹介します。大手とは逆の特徴がメリット・デメリットに直結していることがおわかりいただけるでしょう。

中小タクシー会社に転職するメリットとは?

まずは中小タクシー会社に転職・就職した場合に得られるメリットについて解説します。規模が小さいからこそ行き届く点にご注目ください。

働き方の自由度が高い

小さな規模の会社は管理者とドライバーの距離が近く、ドライバーの働き方に対する希望などを可能な限り聞き入れてくれる会社もあります。このような会社を選べば、それぞれの生活スタイルや事情・生活などを考慮に入れた勤務体制を取ることが可能です。

アットホーム

規模の小さな会社は従業員同士の顔がよくわかり、横のつながりを持ちやすくなります。同僚や先輩後輩との人間関係も円滑に築きやすい傾向にあるため、全体的にアットホームで和気あいあいとした雰囲気の中で働くことができるでしょう。

歩合率が高い会社も

中小タクシー会社の中には、大手よりもやや歩合率を高く設定しているケースが見受けられます。中小と言っても大手タクシー会社のフランチャイズでは、本体へ流出しがちな人材を食い止めるために給与の支給率を良くしていたり、営業エリアを縛らずにドライバー個人の営業スタイルを尊重したりする会社も存在するのです。

中小タクシー会社に転職するデメリットとは?

中小タクシー会社で働くとさまざまなメリットがあることを解説しましたが、大手と同様に中小への転職にもまたデメリットがあることを知っておきましょう。以下にご紹介します。

都心部の中小でないと大きく稼げない傾向

先ほど大手タクシー会社のメリットでお伝えしたように、大手には稼げるための土壌ができあがっているという認識が業界内の常識です。一方中小ではどんなエリアでも頑張れば稼げるとは言い切れない現状があります。そもそも都市部に比べてタクシー需要が少ないため、地方ではよほど会社を選ばないとなかなか大きくは稼ぐことができません。給料が歩合制であるタクシー運転手は、売上がダイレクトに収入を左右するのです。

知名度が低く顧客がつきにくい

中小タクシー会社は大手に比べて世間の認知度が低いため、どうしても名前が知られているタクシー会社に営業面で競り負けてしまいがちです。ご自宅や会社・出先などからタクシーを呼ぶ場合やご予約される場合など、ユーザーは名前を知っている大手タクシーを選びやすく、中小は相対的に顧客がつきにくいと言えます。

それぞれの希望条件によって選ぶべき会社は異なる

転職先のタクシー会社を大手にするか中小にするかは、人それぞれ求める条件によって異なります。ここでは、転職を検討する際のタクシー会社の選び方について重要となるポイントを解説していきます。

稼ぎたいなら大手タクシー会社がオススメ

タクシー業界では、稼ぐための手段・導線ができあがっている大手タクシー会社か、中小タクシー会社であれば大都市圏や都市部の会社に転職・就職すると収入が高くなる傾向が顕著です。逆を言えば、大手タクシー会社か一部の限られた中小タクシー会社に入社しないと、思うように稼げないと言わざるを得ません。転職して収入を上げたいという方は、一定以上ネームバリューがある業績の良い会社を選ぶことが重要です。

自分の希望条件を満たす会社は規模だけではわからない

タクシー会社を選ぶ基準というのは、実は大手か準大手かといった規模だけではありません。大手か中小かだけにこだわって選んでいると、大事なことを見落としてしまう恐れもあります。重要なのは、転職を希望される方が仕事・職場に求める譲れない条件は何なのかを見極めることであり、条件に優先順位をつけることです。待遇・勤務形態・教育や研修制度の充実など、何を重視するかで選ぶべき会社は違ってきます。会社の規模は一つの目安にはなりますが、実態はそれだけではわからないので注意が必要です。

会社選びがタクシー業界転職の成否を分ける!

タクシー会社を選ぶ時会社の規模は一つの目安に過ぎず、大事なのは自分が何を会社に求めるかであるということをお伝えしてきました。しかし、ご自身がタクシー会社に求める労働条件を絞り込めたとしても、どこがその条件に合う会社なのかは、業界外からはなかなかわからないのが現実です。タクシー運転手の働きやすさや稼ぎやすさは、実は会社選びの段階で決まってしまいます。本当の意味で良い会社選びを叶えるには、業界内の事情に詳しい経験者から生きた情報を得ることが近道です。

そこで頼りにしていただきたいのが、タクシー業界に特化した就業サポートを行う専門コンサルタントです。弊社プロタクは、現役タクシー運転手が業界の最新かつ偽りのない情報を提供し、それぞれの転職希望者様が望む条件を備えたタクシー会社をご紹介します。他にも就業前後の試験対策や営業面での研修など、きめ細やかにバックアップしています。タクシードライバーになって働きやすい環境でしっかり稼ぎたいという方は、後悔する前にぜひプロタクに会社選びや採用試験対策のご相談をお寄せください!

【まとめ】会社の規模だけにとらわれず自分に合った会社選びが重要

タクシー業界への転職を検討される場合には、採用試験を受ける会社が大手か中小かといった規模にだけ注目せず、ご自身が会社に求める条件は何かをしっかりと見極めることが重要であることをお伝えしてきました。タクシー運転手への転職が成功するかどうかは会社選びにかかっていると言っても過言ではありません。タクシー業界は働き方も給与形態も独特なので、会社選びをする前に専門のコンサルタントの助言を受けられることを強くお勧めします!

この記事のまとめ

・大手タクシー会社はブランド力抜群で稼ぐための手段・導線ができあがっている
・中小タクシー会社はアットホームで管理者側との距離が近い
・中小会社でも大手のフランチャイズである場合は待遇が大手に近いケースもある
・転職先には大手か中小かというよりも自分自身の条件を満たすタクシー会社を選ぶことが重要
・タクシー業界への転職は会社選びがとにかく大事

プロフィール

プロフィール
29歳から東京でタクシードライバーとしてデビュー。
最高売上は130万。「オレンジ戦隊改めサクラ戦隊」のブログでタクシーの営業ノウハウ等を中心に情報発信。
蓄積した情報を体系化したプログラムを考案し、大手タクシー会社の教育カリキュラム作成等に従事。
現在タクシー会社数社で人材育成で顧問契約。
入社後のアフターサービス特化型のタクシー転職支援サイト「プロタク」(pro-taxi)に2019年より在籍。
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