タクシードライバーはこんな病気になりやすい!現役運転手が語る職業病ランキングトップ5

投稿日:2020年10月29日 | 最終更新日:2020年10月29日

職業病とは、特定の職業に従事することでかかりやすい病のことを言います。例えば騒音の激しい職場であれば難聴になったり、手を頻繁に使う職業であれば腱鞘炎になったりするなどが職業病の一種です。そして、タクシー運転手も職業病にかかる可能性のある職種です。

では、タクシー運転手がかかりやすい職業病とはどのようなものがあるのでしょうか?今回の記事では、タクシー運転手に良くある職業病や病気になる主な原因、そして職業病にかからないための予防策を現役ドライバーの目線で紹介していきます。タクシー運転手の仕事をしている人はぜひ参考にしてください。

この記事を読んだらわかること

☑タクシー運転手がかかりやすい職業病
☑タクシー運転手が職業病になる原因とは?
☑職業病を予防するための対策とは?

タクシー運転手が病気になる原因

まず初めに、タクシー運転手が職業病にかかってしまう主な原因を詳しく解説していきます。

不規則な生活

タクシー運転手が職業病にかかる大きな原因の一つとして、不規則な生活があります。タクシー運転手は隔日勤務という少し特殊な勤務形態で働いている人が多く、生活リズムが狂いやすいのです。

隔日勤務は1日で2日分の仕事をこなす勤務形態です。朝の6時ごろに出勤し、仕事が終わるのは翌日の3時~4時ごろであるため、睡眠を取る時間がなかなか確保できないこともあります。勤務翌日は明け番として休みになるのですが、慣れていなければ上手く身体を休めることができません。

睡眠時間だけでなく、食事を取る時間や入浴の時間などもズレが生じます。不規則な生活に身体がついていかず、体調を崩してしまうドライバーは少なくありません。

運動不足

タクシー運転手は長時間車を運転する仕事であるため、仕事中は座っている体勢でいることが最も多いです。隔日勤務の場合は1日の勤務時間が20時間を越えるので、休憩を除けば十数時間以上は車の運転をしていることになります。

座っている体勢は腰に負担が掛かりやすく、それが原因で腰を痛めてしまうことが良くあります。日常的に運動が足りていなければ、下半身を中心に痛みを引き起こしやすくなります。

現場仕事とはいえ、タクシー運転手は仕事の特性上、運動不足になりやすいのです。運送不足は多くの病気の原因になりやすいので、気を付けなければいけません。

ストレス

職業病は身体的なものだけでなく、精神的なものも含まれます。タクシー運転手の仕事をしていると、職場での人間関係や、接客が上手くいかないことが原因でストレスが生じることがあります。

また、タクシー運転手は「お客様を安全に目的地まで運送しなければならない」という神経を使う仕事でもあるので、精神的な面で負担を感じてしまう場面が多々あります。そのため、ストレスを抱え込みやすい人は精神的な病気にかかってしまうことがあるのです。

精神的な病気は仕事に大きな支障を来します。最悪の場合、仕事を続けられなくなる恐れもあるので、ストレスを抱え込まないためのメンタルケアは非常に重要です。

タクシー運転手がかかりやすい職業病トップ5

次に、タクシー運転手がかかりやすい職業病を5つピックアップし、それぞれの病気について詳しく解説をしていきます。

【その1】エコノミー症候群

狭い座席などで長時間座ったままの姿勢でいることで血の巡りが悪くなり、足の血管に血の塊が作られ「血栓症」という病気を引き起こすのが、エコノミー症候群です。飛行機のエコノミークラスに長時間座った人がかかりやすい病気であったことが病名の由来となっています。

主な症状は、ふくらはぎや大腿部の痛みなどです。治療を怠り病状が悪化していくと、動機や呼吸困難などの症状が出始め、下手をすると突然死を引き起こすケースもあります。

エコノミー症候群の主な原因は、長時間同じ姿勢でいることと水分不足です。タクシー運転手は狭い車内で同じ姿勢でいることが多く、また、仕事が忙しいと水分補給を怠ってしまうことがあります。非常に厄介で恐ろしい病気なので、しっかりと対策をしておくことをおすすめします。

【その2】腰痛

タクシー運転手は腰痛にもなりやすいです。特に年齢が上がってくるごとに骨は弱くなっていくものなので、同時に腰痛を引き起こすリスクも上がっていきます。

腰痛もエコノミー症候群と同様に、長時間同じ姿勢でいることが主な原因です。立っているときは上半身の重みが分散されるのですが、座った姿勢は負担のほぼ全てが腰に回ってしまい、血行不良となることで痛みを引き起こします。

腰痛を予防するためには、適度なタイミングでタクシーを降りて体を動かすことが大切です。また、座席にクッションを設置するのも効果的です。腰痛対策のクッションは、座布団タイプから腰を包むタイプまで色々ありますので、自分に合ったものを選びましょう。

【その3】うつ病

精神的な病気の代表となるのがうつ病です。うつ病となる原因は人によって様々ですが、タクシー運転手の場合はストレスやプレッシャーが主な原因となることが多いです。例えばお客様からのクレームや、売上が伸びないことへの焦りなどでストレスを抱え込んでしまいます。

精神的な病気は、身体的な病気とは違い、薬を飲んだり通院したりしてもなかなか改善しません。病気から快復するためにはストレスの元を絶たなければ根本的な解決にはならないからです。

また、精神疾患の薬は吐き気や眠気などの副作用を引き起こすことがあります。そのため、薬を飲みながら仕事を続けること自体が困難なのです。明確な治療の方法がないうつ病には十分に気を付けなければいけません。

【その4】生活習慣病

不規則な生活は生活習慣病を招く恐れがあります。生活習慣病の主な原因は、運動不足や偏った食事、喫煙や過度な飲酒です。症状としては肥満や糖尿病、高血圧など、自覚症状がはっきり現れにくいものが多いです。そのため、気付かないうちに病気が進行していることがあります。

生活習慣病が進行すると、心臓や脳、血管などに少しずつダメージを与えていきます。そうなると結果的に脳卒中や心筋梗塞など、命に関わるような病気を患ってしまいます。

心臓や脳に疾患を負うと仕事を続けられなくなる可能性もあります。なので、タクシー運転手にとって規則的な生活を送ることは非常に重要なことなのです。また、体に何か違和感を覚えたときは早めに病院を受診することをおすすめします。

【その5】不眠症

タクシー運転手は生活リズムが不規則になりがちであるため、不眠症に陥りやすいです。不規則な生活はホルモンバランスの乱れを起こし、睡眠を左右する副交感神経に異常をもたらすことがあるからです。

不眠症となる主な原因は、休日に昼寝をし過ぎたり、寝る前に過度なアルコールを摂取したり、ストレスを抱え込んでしまっているままであったりと色々あります。改善するためには不眠症の原因を探り、まずはそれを取り除いていきましょう。

睡眠不足になると身体が重くなったり頭が上手く回らなくなったり、仕事に大きな支障を来します。仕事中に眠気に襲われると事故を起こす恐れもあるので、気を付けましょう。

職業病にかからないための予防策

タクシー運転手がかかりやすい職業病は、いずれも侮ってはいけないものばかりです。今回紹介した職業病にかからないための対策を解説していきます。

適度な運動をする

エコノミー症候群や腰痛を予防するためには適度な運動をすることが大切です。仕事中でも身体が疲れてきたと感じたときは、タクシーを降りて身体を動かしたり、ストレッチをするだけでも血の巡りが良くなるのでだいぶ楽になります。

また、可能であれば休みの日にもジムやランニングなど運動をする時間を少しでも作るのが理想です。普段から運動をしていれば、血液の循環や臓器の機能が良くなり、また、体力もつくので病気にかかりにくい身体が作られていきます。

なかなか外で運動をする時間が取れない人は、家で筋トレやストレッチ運動をするなど、少しでも身体を動かすことを意識しましょう。

栄養バランスに気を付ける

生活習慣病を予防するために、食生活は栄養バランスに気を付けなければいけません。タクシー運転手は、ずっと外で仕事をしているので、仕事中は外食やコンビニ弁当になりがちです。添加物の多い食事を毎日取っていると、生活習慣病の症状を引き起こしやすくなります。

そのため、プライベートで食事を取るときは、自炊をして栄養バランスに気を遣うなどの対策を立てておくことがおすすめです。仕事中にカロリーが高いものを食べがちな人は、和食をメインに野菜をしっかりと摂取するようにしてください。

規則正しい生活を送る

タクシー運転手は勤務時間の都合上、生活が不規則になりがちなものですが、その中でも規則正しい生活を送ることを心掛けましょう。睡眠時間や食事を取る時間など、適当に決めるのではなく、時間をきちんと決めて規則的に行うようにしてください。

また、休みの日でも睡眠を取り過ぎないように気を付けましょう。昼間に睡眠を取りすぎると、夜に寝付けなくなり寝不足のまま仕事に向かうことになってしまいます。タクシー運転手にとって寝不足は非常に危険なので、生活の中でも睡眠には特に気を遣うようにしてください。

メンタルケアをする

精神疾患にかからないためには、メンタルケアの方法を自分の中で確立しておくことが大切です。家族や友人と過ごす時間、趣味を大切にし、プライベートでストレスを解消できる方法を作っておくと精神状態が安定しやすくなります。

ストレスを抱え込みやすいドライバーは、休日でも仕事のことを考えて追い詰められているパターンが多いです。仕事中でも疲れを感じたときは休憩を挟んだり、休むときは気持ちを切り替えてしっかり休みましょう。

【まとめ】職業病の予防をして仕事をしよう

タクシー運転手は仕事の特性上、色々な職業病にかかる恐れがあります。身体的な負担が掛かる病気は進行すると命に関わることもあるので、症状が軽いからと甘く見てはいけません。精神病も気付かないうちに症状が重くなっていく可能性があるので、気を付けておきましょう。

職業病にならないためには、仕事中でもプライベートでも対策と予防をしておくことが大切です。病気は仕事のパフォーマンスにも影響しますので、ぜひ今回紹介した予防策を実施して健康的に仕事をしてください。

この記事のまとめ

☑タクシー運転手は不規則な生活になりがち
☑ストレスや運動不足は病気を引き起こす原因になる
☑適度な運動や栄養バランスに気を付ける
☑規則正しい生活を送り病気にならないようにする
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