投稿日:2020年10月29日 | 最終更新日:2020年10月29日
2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により、各業界で様々な影響がありました。それはタクシー業界も同様であり、コロナによってタクシーの需要が減ったことにより、解雇や減給になったタクシー運転手も大勢います。
そんなタクシー業界は2020年の現在、採用状況はどのようなものになっているのでしょうか。今回の記事では、タクシー業界の採用事情や最新の採用状況、そして新型コロナウイルスによって与えられた影響について詳しく解説をしていきます。タクシー業界へ転職を検討している人はぜひ参考にしてください。
この記事を読んだらわかること
☑タクシー業界が求めている人材とは
☑コロナがタクシー業界に与えた影響
☑コロナ禍の現在でもタクシー業界へ就職できるのか
タクシー業界の2020年現在の状況
タクシー業界に転職する上で知っておきたいのは、求められている人材や必要なスキル・資格などです。ここではタクシー業界全体の採用事情について詳しく解説をしていきます。
人手不足が続いている
前提として、タクシー業界はそもそも慢性的な人手不足が続いている業界です。需要に対して供給がやや足りていない状況が続いており、多くのタクシー会社では常に人を求めています。
人手不足と同時に、タクシー業界ではタクシー運転手の高齢化が問題視されています。タクシー運転手の平均年齢は60歳前後と、他業界と比べて非常に高齢です。最近では高齢者が免許返納をする流れもあることから退職をする人も増えてきており、人手不足は更に深刻化しています。
退職をしていく人数に対し、採用できる人数が少ないため、タクシー業界の人手不足はなかなか改善されません。人材が不足しているとタクシーの稼働率が下がり、会社の収益も減ってしまいます。
若い人材が求められている
タクシー会社への転職は、基本的に年齢不問のところが多いです。前述の通り、タクシー業界は慢性的な人手不足であるため、年齢を不問にすることで採用の間口を広げる狙いがあります。
しかし、現在のタクシー業界では特に若い人材が求められています。先述した通り、タクシー業界は高齢化が進んでおり若い人材の育成がなかなか進んでいないのが実情です。このまま若い人材が育たなければタクシー業界が徐々に衰退してしまうことが懸念されます。
そのため、多くのタクシー会社では新卒者の募集枠を増やしたりしながら若い人材の積極採用を行っています。もちろん新卒者だけでなく、20代~30代のこれからのタクシー業界の未来を担う若い年代の採用活動が進められています。
未経験でも採用される
タクシー業界への転職は、基本的に未経験の人が多いです。自由な働き方を求めて脱サラしてタクシー運転手になる人や、定年退職後にもまだ仕事を続けたい人、車の運転が好きな人、歩合給でガッツリ稼ぎたい人など転職の理由は人によって様々です。
タクシー運転手の仕事は特殊な技術を必要とするものではありません。運転免許さえ持っていれば誰でも転職をすることが可能なので、未経験でも問題なく始めることができます。
近年のタクシー会社は資格取得のサポートや、教育・研修制度を充実させているところが多いです。そのため未経験から転職を検討している人にとっても安心です。
女性ドライバーが増えている
男性の仕事というイメージの強いタクシー運転手ですが、最近は女性ドライバーの数が増えてきています。緩やかな推移ではあるものの、年々右肩上がりになっているため、これから先女性ドライバーの数は更に増えていくことが予想されています。
女性ドライバーが増えている背景としては、女性のお客様からの要望で「女性ドライバーの方が安心できる」という声が上がっているからというのが最も大きいです。一部のタクシー会社では女性ドライバーを指定できるサービスが導入されています。
また、タクシー車内の防犯やセキュリティシステムの整備も進んでいるため、女性が安心して働ける環境ができてきているというのもポイントです。
特別な資格やスキルは不要
タクシー会社に就職するために必要な資格は普通自動車免許のみです。マニュアル免許を持っていれば会社選びの幅が広がりますが、AT限定でも特に問題はありません。
タクシー運転手の仕事を始めるに当たっては「第二種免許」も必要なのですが、基本的にこちらは入社後に取得するものです。また、東京や大阪など一部の地域では「地理試験」の合格も必須となっています。どちらも会社からのサポートを受けながら試験を受けるため、特に心配はいりません。
タクシー運転手は接客業でもあるため、コミュニケーション能力があると更に有利です。ですが、特殊な資格やスキルは必要ないため、転職のハードルは比較的低いと思ってもらって問題ありません。
新型コロナウイルスの影響は?
では、2020年に蔓延した新型コロナウイルスはタクシー業界にどのような影響を与えたのでしょうか。ここではタクシー業界とコロナの関係性についてを詳しく解説していきます。
タクシー業界は大きな打撃を受けた
新型コロナウイルスの影響によって、タクシーの利用者は大幅に減少しました。感染拡大を防ぐための外出自粛や、観光客の減少によるインバウンド消費の低下などが大きな原因となっています。
タクシーの需要が減少したことにより、多くのタクシー会社ではタクシーの稼働率を下げざるを得なくなりました。稼働をしていてもタクシー運転手はコロナ以前のようにお客様を見つけることができず、給料が減ってしまったという人がほとんどです。
それだけでなく会社を解雇になったドライバーも多数おり、更には廃業となった会社も少なくありません。コロナによってタクシー業界は厳しい状況に追い込まれています。
タクシー業界の人手不足は続いている
コロナの影響によってタクシー業界全体の売上は落ち込んだものの、人材不足の状況は相変わらず続いています。現在は稼働台数の調整がされている状況ですが、ウィズコロナの時代に突入している現在、タクシーの需要は少しずつ回復してきています。
今後はコロナの終息や経済の回復に伴い、稼働台数は徐々に増えていく見込みです。もともと人手が足りていなかったことや、コロナショックによって自ら退職したドライバーも多数いることなどから、新たなドライバーが必要とされています。
積極採用を行っている会社もある
経営が安定している大手のタクシー会社などでは、アフターコロナを見越して積極的な採用を行っているところもあります。まだコロナ以前の状況に戻っているとは言い難い状況ですが、回復の兆しが見えていることから将来のことを見据え、ドライバーの増員が重要視されています。
また、大半のタクシー会社ではコロナ対策を行っており、これから転職する人が安心できるよう、ウィズコロナの時代に即した働き方を徹底しています。
【補足】業務にも影響がでていることも
ソーシャルディスタンスが当たり前のようになった今の時代、タクシー業界も時代に合わせて変化せざるを得なくなりました。
例えば乗務員のマスク着用義務、除菌や掃除の徹底、座席と座席の間のシート設置など、コロナ対策のために業務の内容が変化しています。
コロナ禍の現在は当然ですが、コロナが終息してからもしばらくはコロナ対策を前提とした業務内容が続いていくことが予測されます。
【2020年】タクシー業界の採用状況
タクシー業界の採用事情や、コロナによる影響を踏まえた上で、2020年のタクシー業界の採用状況を解説していきます。
新卒採用の場合
まず、新卒からタクシー業界へ就職をするパターンです。タクシー運転手というと高齢者や中途採用のイメージを抱きがちかもしれませんが、近年のタクシー業界は新卒者の積極採用を行っています。タクシー業界は若い人材を欲しており、これから社会で活躍していく新卒者は正に適任です。
大手のタクシー会社では新卒者に向けて専用の採用サイトを設けるなど、新卒採用に非常に力を入れています。一部のタクシー会社では、コロナによって内定取り消しになった学生を対象に追加採用をしていたほどです。
しかし、いくら募集をしていても新卒者からの応募がなければ意味がありません。そこでタクシー会社は、充実した研修・教育制度、手厚い福利厚生などを用意し、働きやすい労働環境を整えることで新卒者を獲得しています。
中途転職の場合
次に中途でタクシー業界へ転職をするパターンです。タクシー業界への就職は中途転職が大半を占めており、コロナ禍の現在でも中途採用を行っている会社は多数あります。
タクシー業界は基本的には人手不足の状況が続いているため、経験や年齢を不問としている会社が多いです。年齢が若ければ若いほど有利ではありますが、タクシー運転手はもともと年齢関係なく働き続けることができる仕事です。
また、コロナによって仕事を失った人がタクシー業界へ転職をしたという例もあります。経験や年齢に関係なく始められる仕事だからこそ、中途転職者にもおすすめです。
会社選びが重要になってくる
タクシー業界へ転職する際に気を付けておきたいのが、会社選びです。タクシー会社によって給料の歩合率や稼ぎやすさ、勤務形態、休日の取り方などが大きく変わってきます。コロナ禍の現在だからこそ、会社をしっかりと見極めて就職することが重要です。
なお、会社を選ぶ際に重要視するポイントは人によって様々です。忙しくても歩合給でガッツリ稼げる会社が良いのか、休みが多く福利厚生が充実している会社が良いのかなど、会社選びの前にどのような働き方をしたいのかを考えましょう。
また、現在はコロナ対策をしっかりと行っているのかどうかも判断ポイントの一つとなります。タクシー会社がどのようにコロナの対策を行っているのか、求人情報やホームページなどでチェックしてみてください。
【まとめ】タクシー業界の採用状況は回復していくと予想される
タクシー業界は新型コロナウイルスによって大きな打撃を受け、多くのタクシー会社は売上が大幅に減少しました。しかし、以前より人手不足が続いていたことやアフターコロナを見越していることから、タクシー業界への転職は十分に可能です。
また、今後は経済の回復に伴い更なる人員確保が進むことが予想されています。タクシー業界は本来一定の需要がある安定した業界なので、新卒の人にも中途転職の人におすすめできる仕事です。安定した職業で働きたい人は、ぜひタクシー会社への就職を検討してみてください。
この記事のまとめ
☑タクシー業界への転職に経験や年齢は不問
☑コロナでタクシー業界は売上が減少した
☑アフターコロナを見越して積極採用を行っている会社も多数ある