投稿日:2020年10月29日 | 最終更新日:2020年10月29日
タクシー業界への転職を検討中の方にとって最も気になるのが収入ではないでしょうか?タクシー運転手はどのように給料が決まるのか前々から疑問だったという方もおられることでしょう。そこで今回は、タクシー運転手の収入について詳しく解説していきます。乗務員の給与形態はもちろん、タクシーの料金制度に関する基本解説や収入を上げるためのコツなど、転職する前に知っておきたいノウハウをわかりやすくお伝えします。タクシー業界に少しでも興味のある方は、ぜひ参考にしてくださいね!
この記事を読んだらわかること
・タクシーメーターの仕組みと売り上げの計算
・タクシー運転手として収入を上げるためには
タクシー運転手の収入のシステムを理解しよう
タクシー業界の給料制は、同じ社員と言っても一般的なサラリーマンとはかなり異なります。ここでは、タクシー運転手がどのような給与形態の中で収入を得ているのかを解説します。タクシー運転手の平均収入も全国・東京ともにご紹介します。
タクシー運転手の平均収入について
タクシー運転手の全国平均年収は、およそ360万円です。ただし、360万円というのは全国の男性タクシードライバーの平均年収で女性ドライバーは300万円ほどとなっています。これは待遇に男女差があるのではなく、女性ドライバーは日勤だけで稼ぐ人も多いため、夜勤や隔日勤務などで発生する割増分がないことから、このような違いが出ています。また、タクシー運転手の収入は営業するエリアや所属するタクシー会社によってもかなりの差があります。例えば、タクシー需要もドライバーの収入レベルも全国トップの東京だけで見ると、タクシー運転手の平均年収はおよそ480万円となっています!
タクシー運転手の3つの給与体系
タクシー運転手は、会社との間に取り決めた分配率に応じて稼いだ売上を分配する「歩合制」で給与を支給されます。ただし、タクシー会社によって給与の支給形態は異なり、完全歩合制の会社もあれば基本給(固定給)+歩合給を実践する会社もあります。かつては一般的なサラリーマンのような固定給制を実施している会社もありましたが、今はほとんどが歩合制や一部歩合制です。乗務員未経験者で完全歩合で稼ぐことが不安な方は固定給+歩合給の会社を、タクシー業界内での転職などである程度自信のある方は完全歩合制のタクシー会社に入社するといった会社の決め方もあります。
タクシーメーターの仕組みと売り上げの計算
タクシー運転手は自ら稼いだ売上額に応じて収入が増減することをお伝えしましたが、そもそもタクシーの料金制度とはどのようなものなのでしょうか?ここではタクシーで採用されているメーター制についてわかりやすくご説明します!
タクシーメーターは計量法に基づいて作られている
タクシー料金を計算する際に使われている料金メーターは、「計量法」という法律によって決められています。タクシーメーターでは、タイヤが一回転した時に進む距離が制定されており、この距離に実際の回転数を掛けることによって正確で公正な運賃が計算できるようになっています。ただし、正確で公正である点が裏目に出るのは、道を間違えたり誤って遠回りしたりした場合です。よくタクシーをご利用になるお客様の中には、メーターが正確であるがゆえに、距離が伸びて料金がいつもと違うと、損したと感じて苦情を言われる場合があります。
速度が10km以下で特殊な運賃計算に切り替わる
メーター制のタイヤ回転数だけで運賃を算出すると、渋滞やお客様の寄り道などで時間がかかってしまった場合にタクシー側にとってフェアでありません。このため、タクシーの料金制度では、速度が10km/時以下になった場合や待機状態になった場合、1分25秒ごとに80円(2020年10月現在)という料金が加算されます。このように単純な距離で料金を決めるシステムと時間による加算システムを同時に採用した料金制度を「時間距離併用運賃」といいます。
【豆知識】メーターは年に一回点検を行う
タクシーの料金メーターは年に一回決められた検定所で正確に作動するかどうかの検査を受けることが義務づけられています。検査に合格したメーターには、車検に通った車のようにきちんと証明印と有効期限が表示されるため一目瞭然です。検査に合格していないメーターは搭載することができので、タクシーの料金メーターは限りなく誤差とは無縁と言えます。
【豆知識】会社ごとのタクシーメーターに差はほとんどない
時々タクシーの乗客から「タクシー会社ごとにメーター料金が違うんじゃないの?」とご質問いただくことがありますが、同一基準の指定検査所で検査を受けているため、メーター自体に誤差はほとんど生じ得ません。また、スタッドレスタイヤをはじめとしたタイヤの大きさの違いによる料金差もまずありません。さらに、地域ごとの料金差についてですが、東京は初乗り運賃が安いため、料金(=売上)自体も安いのではないかと思う方が時々おられます。しかし、東京は初乗り運賃が安い分加算距離が短く設定されているので、一定以上の距離をご乗車になれば東京の方が料金は高くなります。
タクシー運転手として収入を上げるためには
タクシー運転手は、フェアな給料制度と料金制度のもと、頑張りがそのまま収入に反映される実力主義的な仕事です。だからこそやり甲斐があるのですが、収入が上げられるかどうかはやり方にもよります。ここではタクシー運転手が収入を上げるために心得ておくべきポイントをご紹介します!
お客さんを乗せる回数を増やす
タクシーで稼ぐには「実車率」を上げることが重要です。実車率とは、総走行距離中に占めるお客様を乗せて走った距離の割合のことをいいます。実車率が高ければ自ずと売上や収入も高まるものですが、実車率を上げるといっても具体的にすべきことはその都度違います。重要なのは、時間帯ごとに刻々と変化するタクシー需要の発生場所をしっかりととらえて営業することです。初心者のうちは単純に「お客様を乗せる回数を増やす」ということを念頭に置いておくと実車率アップに直結します。お客様をお乗せする回数を増やすためには、自ずと効率的に立ち回らなければならなくなるので、どこにいつ営業に行くのかを戦略的に計画できるようになるのです!
稼げるエリア・会社に転職する
実はタクシーの仕事は全国どこでやっても同じように稼げるわけではありません。記事のはじめにご紹介したように、タクシー運転手の全国平均年収に対し、東京のタクシー運転手の平均年収は120万円も上回っています。タクシーで稼げる額は、働くエリアによって大きく変わってくるのが実情です。また、稼げるノウハウや手段を数多く持っている大手タクシー会社で稼ぐのとそうでない会社で稼ぐのとでは稼ぎが違ってきます。さらに待遇や条件だけでなく、自分自身が働きやすいかどうかでもやる気が増減するので、自分の希望する条件を備えた会社を選ぶことが、しっかりと稼ぐ秘訣です!
【まとめ】タクシー運転手の収入の仕組みを正しく知っておこう
今回は、タクシー運転手の収入やタクシーの料金制度など、タクシー業界のお金にまつわる話題をたくさんご紹介してきました。タクシー運転手は大変そうだとよく言われますが、頑張った分だけ収入になり、残業も面倒な人間関係もなく稼ぐことに集中できる素敵な職業です。メーター制や歩合制給料などについては、理解してしまえば難しいことはないので、タクシー業界へ転職を希望されている方などは、これを機に覚えておかれてみてはいかがでしょうか?
この記事のまとめ
・タクシー運転手は歩合制給料なので頑張れば頑張っただけ収入に反映される
・タクシー料金はメーター制で距離と時間に応じて料金が増えていく「時間距離併用運賃」
・タクシーのメーターは毎年厳しい検査に合格したもののみを搭載している
・タクシー運転手として収入を上げるには実車率を上げるために効率的に営業することが何より重要
・タクシー運転手が稼げるかどうかは働くエリアや所属するタクシー会社によって大きく変わる