投稿日:2020年7月17日 | 最終更新日:2020年7月17日
「タクシーとハイヤー、どちらも似たようなイメージはあるけど違いがよくわからない・・」
と思っている方は多いのではないでしょうか。
タクシーとハイヤーは基本的な役割は似ていますが、利用するシーンや料金などが違います。ハイヤー運転手になりたい方はもちろん、タクシー業界への就職・転職を考えている方も基礎知識として知っておくべきでしょう。
後半では、気になる「給料の違い」についても解説しています。
ぜひ参考にしてください。
この記事を読んだらわかること
☑︎タクシーでなくハイヤーを使うのはこんなタイミング!
☑︎タクシー運転手とハイヤー運転手、どっちが給料が高い?
☑︎ハイヤー運転手になるには
タクシーとハイヤーは何が違うのか
業界のことに詳しくないなら、「タクシーとハイヤーってなんとなく似たようなもの」というイメージかもしれません。
タクシーもハイヤーも「お客さんを目的地まで安全に送り届ける」という点では一緒ですが、利用シーンや料金などに違いがあります。
その違いについて、以下で詳しく解説します。
大きく違うのは利用客層と利用目的
タクシーとハイヤーの最も大きな違いは「利用する客層」「利用するシーン」です。
タクシーは一般人が気軽に利用できます。言ってみれば「誰でも使える」ので、タクシーは公共交通機関の意味合いが強いです。それに対して、ハイヤーは個別の輸送機関といえます。たとえば政府の要人や会社役員など、エグゼクティブ向けの乗り物がハイヤーです。
タクシーの利用シーンといえば「急いで目的地に行きたい」「荷物が多いのでタクシーで」「天気が悪い時の移動手段」「飲み会の帰り」など、普段の生活に紐づいた移動に使われます。対してハイヤーは特別な時に利用されることがほとんどです。
(※ハイヤーの詳しい利用シーンについてはこの先で詳しく解説します)
予約は必要?乗り方の違い
ハイヤーは完全予約制です。
利用するにはあらかじめ日時、行き先を伝えて予約しておく必要があります。
ハイヤーは営業所を出庫したらお客さんを乗せて目的地まで送り届け、そのまま営業所へ帰ります。
タクシーのような流し営業はしないため、一般人が街中でハイヤーを拾うことはできません。
料金体系も違う
タクシーの運賃は、シンプルに「エリアの料金設定×走行距離」によって決まります。
ハイヤーも基本的には同じですが、そのほかにもハイヤーの運賃を決める要素が2つあります。
一つ目は利用する頻度です。単発のスポット契約は少し高めの料金設定ですが、長期契約(月極めなど)の場合は比較的リーズナブルになります。
二つ目は車種による料金の違いです。タクシーの場合はクラウンでもアルファードでも同じ距離なら同じ金額となりますが、ハイヤーの場合はグレードの高い車種になるほど料金も高くなります。
また、タクシーを呼んだ場合は「迎車料金」が別途かかりますが、ハイヤーの場合はそもそも営業所から課金がスタートしているため迎車の概念はありません。
使用する車種も違う
タクシーといえば以前はトヨタ/クラウンのイメージでしたが、現在ではプリウスなど一般的な車種が増えています。
これに対してハイヤーはやはり高級感のある車種が採用されており、たとえば
- レクサス
- フーガ
- センチュリー
など、役員車クラスの車種が名を連ねます。
また、定員が多いタクシーの車種としてはエスクァイアやアルファードといったワゴンタイプが用意されていますが、ハイヤーの場合だと
- ハイエース
- キャラバン
といった9人乗りタイプが配車されます。しかもグランドキャビンなどハイエンドモデルになるので、車内スペースが広く取られていて乗り心地も良いのが大きな特徴です。
簡単にタクシーとハイヤーの違いをまとめてみた
タクシー | ハイヤー | |
利用する客層 | 一般の利用者 | 会社役員や政府関係者などエグゼクティブ |
予約の可否 | 可能(予約料金、迎車料金別途) | 完全予約制(営業所から目的地までの距離で運賃計算) |
何人乗りか | 運転手含め5人 | 運転手含め9人まで |
利用料金 |
|
走行距離 |
そもそもハイヤーってどんな乗り物?どんなときに乗るの?
ハイヤーの利用客層や予約、料金などについて解説しましたが、「実際どんなときにハイヤーを使うのか?」ということが気になりますよね。
一般的には、会社の重役など地位の高い方、もしくは政治家の方が移動の際にハイヤーを使っているイメージがあるでしょう。または海外のVIPや芸能人を送迎するのに使われている場面も見られます。
ここではそんなハイヤーの利用シーンついて詳しく解説します。
官公庁などの機関へ訪問にいく時
これはハイヤーの最も基本的な使われ方です。
官公庁への訪問など、特別な際の移動手段として使用されます。
政治家となると秒刻みのスケジュールで動いていることが多く、時間厳守でピンポイントの場所へお客さんを送迎することもあります。
ここは普通のタクシーでは務まらないため、ハイヤーの出番といえるでしょう。
会社役員や重役が移動する時
ハイヤーは会社の役員や重役など、地位のある方の移動手段として使われることが多いです。
会社の役員クラスとなると、緊急事態も想定しつつ安全に移動する必要があります。そのためにハイヤーが使われているわけです。
ちなみにかつては自社でお付きの運転手を雇うケースが多かったですが、現在ではコスト削減のためハイヤーの方がよく利用されています。
海外のVIPを送迎する時
海外の政府関係者やVIPを送迎する際にもハイヤーが使われます。
車内のシートは広くゆったりとした設計になっていて、飛行機でいうところの「ビジネスクラス」のような乗り心地になっている場合も多いです。
海外のVIPは日本にとってのお客様です。失礼のないよう丁重におもてなしするのが当然といえます。
そのおもてなしの一環として、移動の快適性も確保しなくてはいけません。
安全な運転はもちろん、乗り心地の良さや車内への気配りといった質の高いサービスを提供するには、やはりハイヤーが最適といえます。
パーティーや冠婚葬祭などの特別な行事が催される時
結婚式の場合、仲人の送迎や二次会会場までの移動にハイヤーが利用されます。
お葬式では住職の送迎、火葬場までの移動手段として使われることも多いです。
一般人としてハイヤーに乗る機会があるのは、このような冠婚葬祭の機会になります。
タクシー運転手とハイヤー運転手に収入の違いはあるのか?
ここでは最も気になる「タクシー運転手とハイヤー運転手の収入の違い」について紹介します。
ハイヤー運転手の方が収入が多い傾向がある
結論からいうと、ハイヤー運転手の方がタクシー運転手よりも高収入だといえます。
タクシー運転手の年収平均は280万円程度ですが、ハイヤー運転手の平均年収は500万円程度となっており、大きな差があります。
ボーナスも安定して年2回支給されることが多く、退職金や福利厚生もしっかり充実しています。
総合的にみて、文句なしにハイヤー運転手の方が経済的には安心感があるといえるでしょう。
ハイヤー運転手になるための条件は?
ハイヤーになるための特別な国家資格というものはなく、基本的にはタクシー運転手と同じ二種運転免許を持っていればハイヤー運転手になることは可能です。
ただ、未経験からいきなりハイヤー運転手として採用されることはまずありません。基本的にはタクシー会社で数年間勤務したのちに、運転技術やホスピタリティを認められてハイヤー運転手としての研修が始まります。
会社によっては地理試験や英会話スキルなどの能力を要求する場合もあるため、それなりの条件をクリアしないとハイヤー運転手にはなれないと思っておきましょう。
未経験の人はまず乗務員としての経験を積もう!
ハイヤーはタクシーよりも上質なサービスを提供します。もしもあなたがハイヤー運転手に転職したいのであれば、まずはタクシー運転手としての経験を積んで熟練することが重要です。
目標があれば、普段のタクシーの仕事にも張り合いが生まれるはずです。
ハイヤー運転手を目指していく中で、自然と仕事の成績が良くなり収入も伸びる可能性があります。
ぜひ運転技術や接客スキルを磨き、1日も早くハイヤードライバーになってください。
【まとめ】タクシーとハイヤーは利用者と利用目的が違う!
今回はタクシーとハイヤーの違いについて解説しました。
まとめると、タクシーとハイヤーの違いは利用者・利用目的・役割などにあります。
より上質なサービスを提供しているのがハイヤー運転手であり、その分ハイヤー運転手の方が年収も高い傾向にあります。
ハイヤー運転手になるには高いスキルが要求されるため、もしもハイヤー運転手を目指したいならしっかり目標を持ちつつ日々のタクシー業務に取り組んでみてください。
この記事のまとめ
☑︎ハイヤーはVIPや役員の移動手段として使われることが多い
☑︎一般人でも冠婚葬祭ではハイヤーに乗る機会がある
☑︎ハイヤー運転手の方が年収が高い傾向にあるのでぜひ目指してみよう!