タクシー業界は10年後も残っているのか?需要や今後の展望を徹底解説

投稿日:2022年8月13日 | 最終更新日:2022年8月31日

タクシードライバーへの転職に興味があるけれど、本当にタクシー業界でいいのだろうかとお悩みの方は少なくないでしょう。

転職が当たり前になってきた時代だけに、将来性のある業界かどうかの見極めはきわめて重要になってきます。この記事では、今後10年もタクシー業界は生き残っているのかどうかをテーマに、タクシー業界の今後の展望について予想・解説します。

タクシー業界への転職に興味がある方、そして将来的に長く需要のある業界で働きたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

この記事を読んだらわかること

☑︎タクシー業界は10年後も生き残っているのか
☑︎タクシー業界が生き残る根拠・生き残らない根拠
☑︎10年間でタクシー業界が受ける影響とは?

タクシー業界は10年後も残っている可能性が極めて高い

タクシー業界は10年後にも残っている可能性が非常に高いと考えられますが、この見立てにはれっきとした理由があります。

今後の日本は人口の多い東京都心部などを中心に、生活の足として日常的なタクシー需要が高まることが予想されるほか、外国人観光客の増加とともにタクシーのニーズは減るどころか増えることが見込まれているためです。

また、タクシーの需要が高騰していく予想とは逆に労働人口は減少する一方であり、慢性的に人手が不足することも容易に想像がつきます。タクシー業界は常に良い人材を求めなければならない状況に陥り、既存のドライバーはより重宝されることとなるでしょう。

ただし、楽観的な材料ばかりではありません。自動運転技術が加速度的に進んでいることやライドシェア(相乗り)の普及などタクシー業界の脅威となり得る世相の変化もあります。10年後には乗務員が自動運転車を扱う、いわば半自動化によるタクシーサービスが常態化していることも想定されます。10年後のタクシー業界の展望については、次項でさらに詳しく解説します。

10年後にもタクシー業界が残っている3つの根拠【肯定意見】

先ほどは、10年後もタクシー業界が健在であろうという見通しについてご説明しましたが、ここでは弊社が10年後もタクシー業界が生き残っていると予想する根拠について、さらに詳しく解説していきます。

運送業の需要増加

宅配業者の人手不足が広く認知されつつある昨今ですが、タクシー業界ももはや慢性的な人材不足に頭を抱えています。

運送業全体の人手不足は国内ワースト2位という報告もあるほど深刻です。

AI化や自動運転技術の進歩である程度解決可能な課題があるとは言え、人口分布の問題やネット通販のさらなる拡大によって、タクシー業界を中心に「運送+接客」というスタイルの業種は今後ますます需要が増えると予想されるのです。

インバウンド・外国人観光客の増加

日本の観光庁は近年インバウンド観光に注力し、実際にさまざまな事業を推進しています。

その甲斐あって外国人観光客は増加を続け、さらに円高やオリンピックも重なって、観光業界もまた他業種同様に人材を求めています。

とりわけ絶対的に必要となる観光客の交通手段についても不足することが懸念され、タクシーのニーズはますます高まると考えられているのです。

2020年以降、コロナの影響でインバウンド需要はほぼゼロになってしまいました。しかし、2022年以降段階的に外国人観光客の受入れをを再開をしており、日本政府観光局としても外国人観光客を受け入れを強化をしていくため、今後数年単位でインバウンド需要が拡大していく見込みは強いです。
(日本経済団体連合会 インバウンド再開に向けた日本政府観光局の取り組みを参考)

高齢者の増加

深刻化する一方の高齢化により、通院・買物や日常的な移動手段の確保としてタクシーの需要が増えています。また高齢者が引き起こす自動車事故の増加が社会問題化しており、免許の自主返納が促されている現状があります。

こうした背景から、観光や特別な日だけではなく、タクシードライバーはお客様の日常の手足となって寄り添うところにまで業務を拡大させています。

少子高齢化が加速していることを考慮すれば、今後もこうした需要はますます広がる一方であると予想されるのです。

10年後にタクシー業界が残っていない3つの根拠【否定意見】

タクシー業界が10年後も生き残っているという見解は、あくまで現状を踏まえた上での推測です。世の中にはタクシー業界が10年後には残っていないのではないかとする意見もあります。ここでは、そのような否定的意見の根拠とそれに対しての弊社の見解をご紹介します。

自動運転の定着

日本を含めた世界中の自動車メーカーが、自動運転カーの公道テストを繰り返して技術力をアピールしている昨今、タクシーも自動運転カーに取って代わられるのではないかという声が聞かれます。しかし、今後10年でその技術が確立し広く一般に普及するかどうかは未知数と言わざるを得ません。もし自動運転技術が自家用車に導入されるようになっても、10年で定着しきることは考えにくく、タクシーも「乗務員+自動運転」のスタイルを取らざるを得ないと予想されます。

ライドシェアの規模拡大

Uberをはじめとした配車サービスアプリの台頭やシェアカーの発展により、今後タクシーの需要が減少していくとの予想があります。配車アプリは、一般の登録ドライバーがその時々の乗車ニーズに応じるものでです。時間やコストの効率化にはなるかもしれませんが、あくまで個人間のやりとりなので犯罪のリスクも伴います。ライドシェアの台頭によって、認証を受けたタクシー会社から派遣される身元の確かなドライバーに乗せてほしいというニーズがなくなるとは考えにくいでしょう。

業界全体の人手不足

現存するドライバーの高齢化が原因で10年先までもたないのではないかという意見もあります。しかし、タクシーの需要は減るどころか安定的に高く、今後もますますニーズが増える見込みです。人が足りないからこそ、さまざまな層の方がドライバーとなって活躍することで厚遇される傾向も強まり、労働条件の良い職場環境さえあれば、人材は自然に集まってくることも容易に予想できます。人手不足がタクシー業界の衰退を示す根拠にはなり得ないのです。

【その他】10年後のタクシー業界に影響を与える5つのポイント

10年後にタクシー業界が残っているかどうかを、肯定的な意見・否定的な意見併せて予想・解説してきましたが、弊社としては自社が業界内にあるからではなく、客観的な分析によってタクシー業界の展望は明るいと予想しています。ここでは、10年後のタクシー業界がどうなっているかを予想する上で今後注目していただきたい5つのポイントをご紹介します。

タクシー業界の人手不足

タクシー需要が高まる一方で、人手は慢性的に不足していくことが予想されています。しかし、労働環境の改善が目覚ましいタクシー業界では、フレキシブルな働き方を求めてさまざまな職場から転職してくる方も含め、安定して稼げる職業として志願者がますます増えるのではないかという見方をすることもできます。

タクシードライバーの高齢化

社会全体が少子高齢化している中で、現在活躍中のタクシードライバーが高齢化し引退していく事実は否めません。しかし、日本全体の人口減少により需給バランスがどうなるかは未知数です。また、多様な働き方ができるタクシー業界は、年齢・性別関係なく自分のペースで稼げる労働場所として、人気が高まっている現状もあります。

東京オリンピックの閉幕

東京オリンピックの前後で日本経済にどのような変化があるのかは、将来の展望を見極める上でのキーポイントとなるでしょう。外国人観光客が激減したり日本経済が失速したりすれば、将来を悲観せざるを得ないのはタクシー業界だけではありません。しかしオリンピックに限らず、日本が政府主導でインバウンド観光に注力し、宿泊施設などの建設ラッシュが続いているのは紛れもない事実です。

日本の少子高齢化

少子高齢化が深刻になることで、タクシー業界にどのような影響があるかは重要な見極めポイントとなります。ただ、核家族世帯の高齢化で日常の足がますます欠かせなくなること、少子化と晩婚化、女性活躍時代の本格化により、お子さんの習い事への送迎といった運転ニーズがタクシー会社に寄せられる傾向にあることも要注目です。

東京の一極集中化

今後、日々の生活がしづらい郊外や地方から東京を中心とした都会に移動する人が増えることが予想され、都心部におけるタクシー需要が減少することは考えにくいと言えます。つまり、タクシー業界全体の発展や衰退というよりも、場所によってそのような変化があり得るということです。大都市ではタクシーサービスの必要性も職業としてのタクシードライバー需要ももどんどん高まり、大都市と地方とで需給も待遇も格差が広がることが想定されます。

プロタクは、稼げる職業として急激にステイタスが上がりつつあるタクシードライバーになりたい方を全力サポートするドライバーコンサルタント会社です。それぞれの方に合うクリーンなタクシー会社をご紹介するだけでなく、入社試験のためのご指導やドライバーに必要なノウハウの研修など、トータルサポートを行っています。初めは自分がタクシードライバーとして稼ぐことができるのか?と半信半疑だった方も、実際の現場でたくさん活躍しておられます。今の職場に不満や不安があり、もっと自由に効率良く働きたいという方は、ぜひ私どもにご相談ください!

【まとめ】タクシードライバーとして働くなら稼げる場所を選ぼう!

タクシー業界は、インバウンド観光の促進や深刻な少子高齢化に伴い、ニーズがなくならない就職先であると弊社は目しています。しかし、今後は人口が大都市にますます集中することも予想されるため、タクシードライバーとして稼ぐには場所や会社をしっかり選んで賢い就職・転職をされることをおすすめします。とはいえ、外からはなかなか内部事情が見えないのがタクシー業界。どこの会社が自分に合うのかわからず転職が不安という方は、タクシー業界とドライバー業務に精通したプロタクへぜひ一度ご相談ください。

この記事のまとめ

☑︎タクシー業界は10年後も生き残っている可能性が高い
☑︎タクシー業界が生き残る根拠はインバウンドと高齢者需要
☑︎タクシー業界が生き残らない根拠は自動運転と人手不足
☑︎タクシードライバーが稼ぐためには会社選びも重要

プロフィール

プロフィール
29歳から東京でタクシードライバーとしてデビュー。
最高売上は130万。「オレンジ戦隊改めサクラ戦隊」のブログでタクシーの営業ノウハウ等を中心に情報発信。
蓄積した情報を体系化したプログラムを考案し、大手タクシー会社の教育カリキュラム作成等に従事。
現在タクシー会社数社で人材育成で顧問契約。
入社後のアフターサービス特化型のタクシー転職支援サイト「プロタク」(pro-taxi)に2019年より在籍。
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