投稿日:2020年10月29日 | 最終更新日:2020年10月29日
タクシー運転手になると、日常的にさまざまなお客様をお乗せします。乗務員はお客様の年代や状況に応じて適切なサービスを行うことが重要となりますが、中でもお子様連れのお客様に対してはチャイルドシートをどうすべきなのか、どのように乗せたらいいのかとご心配になる親御さんもおられます。今回は、稼げる乗務員を目指すなら知っておきたい、タクシーでお子様を乗せる時には気をつけるべきポイントを解説します。新人ドライバーさんはもちろん、今後タクシー業界への転職をお考えの方もぜひ参考にしてくださいね!
この記事を読んだらわかること
・子供連れのお客さんがタクシーに乗ってきたときのポイント
・ケース別対応法!子供連れが乗ってきた時はこうやって対処する!
タクシーにチャイルドシートの設置は義務付けられていない
結論から述べますと、自家用車とは異なり、タクシーにはチャイルドシートを設置する義務がありません。小さなお子様連れのお客様をお乗せした時用に、チャイルドシートを搭載しておく必要は基本的にはないのです。ですが、タクシー会社の中には、幅広いニーズに対応するため、車両にチャイルドシートを積んで備えているケースもあります。ここでは、チャイルドシートとはそもそも何歳くらいのお子様まで必要なのか、タクシーでチャイルドシートの準備がない場合の対処法など、基本の解説を行っていきます!
6歳未満の子供を自動車に乗せるときに一般的には義務付けられている
自家用車に子供を乗せる場合には、6歳未満児を対象としてチャイルドシートを装着することが義務付けられています。一概にチャイルドシートと言っても、0~4歳児に対応するベビー用、3~12歳に対応するジュニア用のほか、最近ではベビーカーと一体型となっており、車で使用する際には分離できるタイプなどさまざまな種類があります。
タクシーは道路交通法で免除されている
自家用車に子供を乗せる場合と異なり、タクシーにお子様をお乗せする場合には、チャイルドシート装着の義務がありません。ですが、お子様の習い事や病院への送迎サービスに注力しているタクシー会社などでは、チャイルドシートを常時積んでいる場合もあります。産院からの退院時にご家族と新生児をお乗せしたり、長時間の移動で親御さんが大変なので専用シートを求める乗客がおられたりするなど、チャイルドシートへの一定のニーズがあることも確かです。
チャイルドシートを積んでいない場合はどうすればいいのか
チャイルドシートを積んでいない車両でサービスを提供する際には、その旨をお客様に説明し、親御さんにしっかりとシートベルトを着用していただけるよう促しましょう。小さなお子様は膝の上に抱っこしていただくのが一般的です。
抱っこがむしろ危ないという声もありますが、幼児を通常のシートにお乗せするだけでは親御さんは不安で落ち着くことができませんし、そもそも危険です。安全運転を心がけることを一言添えれば、抱っこの方がむしろ安心してご乗車いただけます。
なお、チャイルドシートをご持参されているお客様がおられたら、進んで装着を行えるよう、日頃から正しい装着の仕方について練習しておくとなおスムーズにご乗車いただけて喜ばれるでしょう。
子供連れのお客さんがタクシーに乗ってきたときのポイント
お子様連れの乗客をお乗せすることになった場合、何に気をつければ良いのかわからないという新人ドライバーさんも多いことでしょう。親子連れというのは細やかな気配りの必要なお客様なので、これからタクシー運転手になる方にとってもしっかり予習しておきたいところです。ここでは、子供連れのお客様が乗車された時に役立つポイントをご紹介します!
シートベルトの締め方
先章でも少し触れましたが、小さなお子様連れのお客様には、大人の方だけシートベルトを締めていただき、お子様は抱っこしてもらうのが最も自然で親子ともに安心していただけるでしょう。就学前後を目安とする比較的なしっかりとされた6歳以上のお子様については後述します!
子供をどこに乗せるか
道路交通法的にはそれぞれのお子様の月齢に合うチャイルドシート使用が義務付けられ、これが最も安心であるとされていますが、特に搭載してある場合でない限り、基本タクシーではチャイルドシートをご利用いただけません。チャイルドシートを使えない中で、小さなお子様を最も安全にお乗せするのは、やはり親御さん等の抱っこです。大人の方にシートベルトを着用していただき、しっかりと抱っこしていただきましょう。なお、大人と同一のシートベルトをお子さんも締めるのは、急ブレーキをかけた場合などに強く締めつけてしまい非常に危険なので、必ずお断りしましょう。
ベビーカーがチャイルドシート併用であるかを確認する
近頃のベビーカーはチャイルドシートと一体になった併用型もあります。こうしたシートをお客様がご使用になりたい場合には、ベルトで座席に固定できるため装着してご利用いただきましょう。ベビーカーご持参のお客様は使いたくても言い出しかねている場合があるので、一言確認すると親切ですし、よりご安心いただけます。
少し上の年齢の子供はそのまま座席に座ってもらう
道交法でも自家用車でチャイルドシート必須の年齢は0~6歳未満とされていますが、タクシーでも親御さんに抱っこをお願いするのは赤ちゃんから4~5歳くらいまでの乳幼児が対象です。就学前後からの大きくなったお子様はご自身で座っていただく方が安全なので、大人と同じように通常通り座席に座りシートベルトを締めてもらえるよう促しましょう。
長距離移動の際は事前に予約してもらう
お客様との会話の流れで、できればご案内したいといった程度の話題ではありますが、小さなお子様連れでタクシーを長距離ご利用される場合には、事前にご予約いただくとチャイルドシートのご用意ができることを告知しておくといいでしょう。ドライバー・乗客ともに動線がスムーズになり、お客様にも安心していただけます!
ケース別対応法!子供連れが乗ってきた時はこうやって対処する!
お子様連れの乗客をお乗せすることになった時慌てないように、乗務員は日頃からシミュレートしておくことが重要です。ここでは、想定できる2つのパターンでの対処法について解説していきますので、小さなお子さんを連れたお客さんをあまり乗せたことがない乗務員さんはぜひ参考にしてください!
チャイルドシートをタクシーに積んでいる場合
乗務しているタクシーにチャイルドシートを積んでいる場合には、小さなお子様連れのお客様にその旨を説明し、設置するのに少しお時間をいただくと前置きしましょう。また、お待ちいただく間は安全のため、お子様から目をそらさないでおいてもらえるよう注意喚起することが大切です!さらに、設置後にお子様を正しくシートに乗せたあと、安全運転を心がけるという宣言をお伝えしておくと、さらなる安心感を持っていただけます。
チャイルドシートをタクシーに積んでいない場合
乗務しているタクシーにチャイルドシートを積んでいない場合に、小さなお子様連れのお客様がご乗車になろうとしたら、まずはチャイルドシートを準備していないことをきちんとお伝えします。気にされる方は大変気にされるので、チャイルドシートがないとわかった時点で乗車を見合わせる場合もあるのです。法律上だいじょうぶかと質問されることもありますが、タクシーでは義務が免除されていることを説明しましょう。納得いただいてご乗車されたら、親御さんにシートベルトを締めていただくよう促し、小さなお子様ならしっかり抱っこしていただけるようお願いしておきます。安全運転を心がける旨をお伝えすることをお忘れなく!
【まとめ】お客さんの安全を考えて営業できるタクシー運転手目指そう
タクシーの乗客の中には、道交法に詳しい方もおられれば、逆に全くご存知ない方もおられます。また、法律に関係なく、チャイルドシートがないと不安で乗りたくないという方もおられれば、全く気にされない方も少なくはありません。重要なのは、チャイルドシートを積んでいる・積んでいないといった事実をはじめにお伝えし、お客様のご意向に沿うということです。5歳程度までの小さなお子様は大人用の座席とベルトではかえって危険になるため、シートベルトを締めて座った親御さんに抱っこしていただくよう促し、安全運転を心がけることをお伝えして、少しでも安心してもらえるように最大限の気配りをしましょう。ベビーカーご持参や荷物の多いお客様への手助けもお忘れなく!
この記事のまとめ
・チャイルドシートを積んでいない場合には親御さん等大人のお客様に抱っこしていただく
・チャイルドシートの有無はご乗車前にきちんと伝えて納得ずくでお乗りいただこう!
・安全運転に努めることを宣言してから発車すると安心していただける