投稿日:2020年10月29日 | 最終更新日:2020年10月29日
タクシー運転手が待機スペースに車両を停めて居眠りしている場面を見かけると「あ、サボってるのかな」と思われてしまいがちですが、実際はどうなのでしょうか?タクシー業界に転職すれば、サボっていても給料が得られると思っていると、後で大変な目に遭ってしまうかもしれません!そこで今回は、タクシー運転手の働き方事情について解説します。タクシー運転手の勤務形態や勤務中の過ごし方など、業界の外にいる方にはなかなか知りえない情報を、よくあるQ&Aを交えてわかりやすくお伝えしていきます。タクシー運転手への転職を検討している方は、ぜひ参考にしてくださいね!
この記事を読んだらわかること
・タクシー運転手の働き方とは?
・タクシーの会社に転職するってどんな感じなの?一問一答Q&A!
Q.タクシー運転手ってよく路肩に車を止めてサボってますよね
タクシー運転手が路肩で停車してのんびりしている姿を見て、「あの運転手、サボっているのかな?」と思ったことがある人は少なくないでしょう。ドライバーに与えられた義務も、傍から見たらサボりに見えているのかもしれません。ここでは、タクシー運転手がサボっているように見えることがあるのはなぜなのか、その真相をご紹介します!
なぜタクシー運転手がサボっている風に見えるのか
タクシー運転手の主な業務は運転です。ですが、この当たり前の前提があるために、乗務員は運転をしていれば仕事をしているように見られ、運転をしていない時には業務を怠っていると勘違いされてしまいがちです。路肩に車両を止めて運転席で飲み物を飲んでいたり、車外で伸びをしたりしていると、タクシー運転手の時間の使い方を知らない方からはサボっていると捉えられることもしばしばあります。
タクシー運転手がサボっているように見えるのは実は『休憩』だった?
タクシー運転手は過酷な労働環境にあると思われがちですが、長時間お客様をお乗せして運転をする仕事なので、休憩や休日に関するルールがたいへんシビアです。昼日勤・夜勤では勤務中に合計90分以上の休憩を、拘束時間が20時間以上となる隔日勤務の場合は合計180分以上の休憩を取ることが義務づけられています。このルールに準じた休憩を取らずにいると罰則があるほど厳密なので、乗務員はちょこちょこ休憩を取る必要があるのです!
タクシー運転手は休憩のタイミングを自分で決められる
タクシー運転手は決められた休憩時間を絶対に消化しなくてはなりません。ただ、この休憩は乗務員自身の裁量でタイミングを決めることができます。お客様の少ない時間帯に休憩をあてたり、続けて長く乗車したい時間帯の直前にまとまった休憩を取ったりするなど、効率的な乗務ができるかどうかを念頭に置く乗務員はデキる人です。休憩の取り方にも稼げるドライバーと稼げないドライバーの違いが確実に出ます!
タクシー運転手の働き方とは?
タクシー運転手はちょくちょくサボっているのではなく、ルールに則してちょくちょく休憩を取らなければならない職業であることを先章で解説しました。ここでは、そもそもタクシー運転手の働き方とはどのようなものなのか、勤務時間・1日の過ごし方・給与形態などを詳しくご紹介していきます!
隔日勤務・日勤・夜勤の3パターンで営業をしている
タクシー運転手に独特な働き方と言えば、1回の乗務で事実上2回分の業務を行う隔日勤務です。所属するタクシー会社によって始業時間は異なりますが、例えばお昼の2時に始業した場合には合計3時間以上の休憩を挟みながら翌朝まで20時間程度は働きます。その代わり、勤務明けは必ず休みとなるなので、月間の労働日数は多くとも13日程度です。昼日勤は朝から夕方まで、夜勤は夕方から深夜までとなります。
1日の大半は車の中で過ごす
タクシー運転手は会社に出勤してくると、まずはアルコールの呼気検査を行います。基準値を超えてアルコールが検出されれば、その日は乗務できません。アルコール検査後には車両点検・簡単な清掃を経て点呼を行います。点呼が終わると車両に乗り込んで各自営業します。専用レーン等で待機する付け待ち営業や、お客様が多そうな場所と時間帯を狙って走行する流し営業のほか、会社から無線で配車要請を受けることもあります。いずれにしても乗務員は勤務時間の大半を車の中で過ごすため、義務づけられた休憩時間を消化するために、路肩で仮眠を取ったり車外で一服したりしている姿をしばしば目撃されるのです!
売上が高ければ高いほど給与の上がる歩合制
タクシー運転手の給与は、稼いだ売上をあらかじめ設定された会社と自身の分配比に応じて分ける「歩合制」です。頑張って稼げば稼ぐほど収入が自然に上がっていくきわめてフェアな給料制度なので、営業を頑張ってしっかり稼いだのにサボっている同僚と給与が一緒という不公平感が一切ありません!
丁寧な運転と背中越しのトークが必要なプロフェッショナル
後部座席に人を乗せて車の運転をしたことがある人なら想像できるかもしれませんが、お客様のお相手をしながら安全運転で目的地までお送りするというのは、なかなか至難のワザです。タクシー運転手の業務は、見た目よりもずっと神経を使う業務であり、表情を見せない中で感じの良い接客を行うことだけでも高度な技術と言えるでしょう!
タクシーの会社に転職するってどんな感じなの?一問一答Q&A!
タクシー会社への入社や転職を検討している方からは、働き方や待遇などについてよく寄せられる疑問があります。ここでは、そのようなタクシー業界への転職に関する疑問あるあるにまとめてお答えしていきます!
Q1.勤務パターンは自分で選べるの?
タクシー会社にもいろいろなタイプがあります。あらゆる勤務形態に対応している会社ならご自身で働き方を選べますが、主に隔日勤務ができる方を募集している社もあれば、タイミングによっては日勤要員を積極採用する会社などさまざまです。タクシー会社の採用試験を受ける前に、働き方を限定して募集していないかどうかの確認をしておくと良いでしょう。
Q2.他の中途採用みたいに祝金とかはあるの?
祝金や支度金などを支給するタクシー会社もありますが、これも勤務形態と同じように、社によって対応が異なります。祝金が標準的に準備されるかどうかはタクシー会社によりけりなので、希望される方は事前に調べておくのが賢明です。
Q3.社員寮があるって聞いたけど入れますか?
特に都心部の大手企業の中には、社員寮を保有しているタクシー会社も少なくありません。ただし、社員寮を完備しているタクシー会社の多くは独身寮を提供しているため、単身者を入居の対象としていることもあります。こちらも事前の確認が不可欠です。
Q4.第二種免許を持っていないけど就職できるの?
現在のタクシー業界では、二種免許取得を費用面でサポートする会社がほとんどです。費用面以外にも資格取得や実地の営業に関する研修制度などを充実させている会社も珍しくないので、こうした会社に転職したい方は、気になる会社がどのような教育制度を採用しているのか要チェックです!
Q5.万が一事故を起こした時はどうなるの?
乗務中に事故を起こした場合の対応は各タクシー会社によってさまざまですが、保険にはもちろん入りますし、会社が負担するケースもあり、全面的にドライバーが経済的責任を負うという事態はまず考えられません。ただし、ドライバー負担分が生じる可能性もあり得ます。
Q6.運転は好きだけど話すのが得意じゃないのですが・・・
運転好きというのは、タクシー運転手にとって重要な適性の一つです!お話ベタついては、場数を踏んでいくことで何とかなるケースも多いですし、そもそもお喋りを嫌うお客様も多いので、さほど心配は要らないかもしれません。最初の挨拶や感じの良い相槌などの方が重要です。
Q7.個人タクシーとして独立するにはどうすればいいの?
個人タクシー開業には年代やキャリアによって条件が異なりますが、概ね10年は無事故・無違反で職業ドライバーを務めた実績が必要となります。個人タクシーを将来的な目標にされる場合は、少しでも早くタクシー会社に入社・転職して経験を積むことが大切です!
【まとめ】タクシー運転手の休憩はサボりとは言えない!
タクシー運転手は、運転していないとサボっていると勘違いされてしまいがちなので、そういった意味では損な面のある仕事です。タクシードライバーが車両を路肩に止めてまったりしている時は、義務的な休憩の最中であるという認識が世間の皆様に広がることを切に願います。ただ、タクシー運転手を転職先に検討している方へ声を大にして申し上げたいのは、タクシー会社は休憩や休日に関しては、お客様やドライバーの安全・健康に関わることなので、かなり厳密なルールの下で運営しているということ。しっかり休んで安心して仕事に励めるのもタクシー運転手になるメリットなのです!
この記事のまとめ
・タクシー業界では休憩に関する厳密なルールがあり、正しく休息しないと始末書などの罰則もある
・タクシー運転手の働き方・待遇・祝金の有無などは会社によりけりなので採用試験を受ける前に要確認!