タクシー運転手の平日と休日の過ごし方とは?一日勤務の日はどうやって働くの?

投稿日:2020年10月29日 | 最終更新日:2020年10月29日

タクシー運転手は、普通のサラリーマンとは違い少し特殊な勤務形態で仕事をしている人が多いです。1日の勤務時間数や過ごし方、休日の取り方などが全く異なってくるため、サラリーマンからタクシー運転手に転職をする人が、初めのうち戸惑ってしまうことは良くあることです。

今回の記事ではタクシー運転手の勤務形態の種類や仕事中の過ごし方、また、休日の過ごし方の例を詳しく解説していきます。タクシー運転手へ転職をしようと考えている人はぜひ参考にしてください。

この記事を読んだらわかること

☑タクシー運転手の勤務形態
☑タクシー運転手の1日の仕事の流れ
☑タクシー運転手の休日の過ごし方

タクシー運転手の勤務形態

では、タクシー運転手はどのような勤務形態で仕事をしているのでしょうか?ここではタクシー運転手の二つの勤務形態について詳しく解説をしていきます。

主な勤務形態は二通り

タクシー運転手の主な勤務形態は「日勤」と「隔日勤務」の二通りです。ほとんどのタクシー運転手は隔日勤務で仕事をしており、日勤は少数派となっています。なお、日勤の中にも「昼日勤」と「夜日勤」の二通りの働き方があります。

日勤と隔日勤務の違いは1日の勤務時間の長さです。日勤の勤務時間は1日8時間程度なので普通のサラリーマンと変わりありませんが、隔日勤務の場合は1日の勤務時間が約20時間前後となります。

そのため、どちらの勤務形態で仕事をするかによってタクシー運転手のライフスタイルが大きく異なってくるのです。タクシー会社に転職をする際は、希望の勤務形態があるのかどうかを事前にしっかりと確認しておくことが大切です。

日勤の働き方

日勤の場合、1日の勤務時間は8時間で休憩が1時間というのが基本になります。昼日勤であれば朝7時~8時ごろに出社し、16時~17時ごろに退社するパターンが多いです。夜日勤の場合は夜18時~19時ごろに出社し、深夜2時~3時ごろの退社となります。

休日は基本的には週休2日制です。シフト制を採用している会社もあれば、ドライバーの希望によって休みを土日などに固定できる会社もあります。

日勤は1日の勤務時間が限られているため、売上を伸ばすために営業方法を工夫する必要があります。そのため日勤で働いているのは、家庭を持っている女性ドライバーや高齢ドライバーなどが多いです。

隔日勤務の働き方

隔日勤務の場合、1日の勤務時間は20時間が前後で休憩は合計3時間というのが基本です。昼日勤と夜日勤を掛け合わせたような勤務形態で、朝6時~7時ごろに出社し、深夜3時~4時ごろの退社となります。

休憩は1日の中で合計3時間を取る決まりになっており、休憩のタイミングはドライバーが自由に決められます。まとめて休憩を取っても良いですし、1時間の休憩を3回取るのでもOKということです。

隔日勤務は1日の勤務時間が長いため、勤務翌日は「明け番」として休みになります。明け番の他にも公休が週に1日ありますので、隔日勤務のドライバーは月の半分以上が休みということになります。

タクシー運転手の仕事中の過ごし方

ではタクシー運転手は実際にどのような流れで1日の仕事をこなしているものなのでしょうか。ここでは隔日勤務を例に挙げて、タクシー運転手の1日の過ごし方を解説していきます。

出社

隔日勤務のタクシー運転手はだいたい朝の6時~7時ごろが出勤時間となっています。制服に着替えて身だしなみを整える時間も必要なため、少し早めに会社に出ます。

出社したらまず初めに乗務員全員が参加する朝礼が行われ、点呼が行われます。上司から注意点や連絡事項などの説明を受けた後、各タクシー運転手それぞれが乗務するタクシーへ向かいます。

車両の安全点検と車内清掃を各自で行い、それぞれタクシーに乗って出庫となります。それから会社に戻ってくるまでは基本的に一人で仕事を回します。

午前の営業

出庫した後はまずは午前中の営業です。時間帯によって客層や稼げるスポットが異なるため、どの時間にどの場所で営業をするのかを考えながら1日の仕事を回していきます。

7時~9時頃までは出勤途中のサラリーマンが主な客層となるため、駅に向かうまでの道やオフィス街の近くなどでの営業が中心になります。通勤ラッシュの時間帯は稼ぎ時でもあるので、午前中に力を入れて営業をかけるタクシー運転手は多いです。

通勤ラッシュが落ち着く9時以降からは、買い物に出掛ける主婦が増えてくるので、住宅街や商店街で流し営業をすることもあります。他に、会社から無線配車の連絡が入れば、随時そちらにも対応しながら仕事をこなしていきます。

昼休憩

午前中の仕事が落ち着いたらいったん昼休憩を挟みます。その日の状況にもよりますが、だいたい12時~13時ごろが昼休憩の時間となります。

休憩を取る場所は基本的には自由です。昼食は外食で簡単に済まし、残りの時間は午後からの営業に備えてタクシー車内で仮眠を取る運転手もいます。隔日勤務は1日の中で合計3時間の休憩を取るため、夕方や夜などにまた休憩を挟む時間を取ります。

午後の営業

昼休憩が終わったら午後からの営業が始まります。平日の昼間は営業に向かうサラリーマンをメインターゲットに、オフィス街で営業をかけていきます。17時ごろからは帰宅ラッシュに時間帯になるので、オフィス街から駅にかけてお客様を探します。

また、19時~20時以降は飲みに出かける人も増えてくるので、繁華街エリアでの営業も外せません。特に金曜日は繁華街エリアに出てくる人が増えてきます。

土日の場合はショッピングやどこかに出掛けるファミリー層のお客様が増えるので、商業施設や観光エリアなどを中心に営業をします。何かイベントごとがある日であれば、イベント会場付近をメインに回ることもあります。

このように、タクシー運転手はその日の状況に合わせて営業方法や営業エリアを変えながら仕事をしています。

深夜帯の営業

帰宅ラッシュが終わったら一度休憩を挟みつつ、深夜帯の営業に切り替えていきます。22時以降は割増料金になるため1日の中で一番稼ぎやすいのがこの時間帯になります。

深夜帯は繁華街での営業が中心となります。22時~12時ごろまでは飲み屋から二次会に向かう人が多く、12時以降からは終電を逃してしまった人が帰宅するためにタクシーを探していることが増えてきます。長距離走行のお客様を拾うチャンスでもあるため、深夜帯は積極的に営業を回していきます。

3時ごろになるとお客様の入りは落ち着いてくるので、2時以降は会社に戻るまでの時間も踏まえつつタクシーを走らせます。

帰社

会社に戻ってくるのはだいたい3時~4時ごろです。相番のドライバーにタクシーを引き継ぐ必要があるため、車両の点検と洗車、それから車内清掃をしっかりと行います。

帰庫したら車内に戻り、上司への報告や日報の記録などの事務作業を済ませます。クレジットカードやタクシーチケットなどの利用があった場合は、未収金額の処理もその日のうちに済ませてしまいます。

事務作業が全て終わったら乗務員証を返却してその日の業務は終了です。

タクシー運転手の休日の過ごし方

隔日勤務のタクシー運転手は1日で2日分の仕事をこなすという特殊な勤務形態ですが、休日はどのように過ごしているものなのでしょうか?

ここではタクシー運転手の休日の過ごし方について例を挙げて解説をしていきます。

明け番は夜明けからの就寝になる

隔日勤務の場合は、仕事が終わるのが早朝であるため、帰宅できるのは夜明けごろになります。なので明け番の休みは、入浴と食事だけ済ませた後まずは睡眠を取ることがほとんどです。

夜明けから昼過ぎに掛けては睡眠を取り、起きてから活動開始となります。そのまま家でゆっくり過ごしたり、買い物に行ったり、近場を出掛けたりなど明け休みの過ごし方は人それぞれです。次の日もまた早朝から仕事になりますので、体を休めることに時間を使う人が多いようです。

公休は自由に過ごせる

隔日勤務のタクシー運転手には、明け番の翌日が休みとなる公休が週に1日設けられています。なので週に1回は二連休を取ることができるのです。公休は明け番とは違って時間に余裕を持つことができるので、家族と出掛ける時間に使ったり趣味に興じたり比較的自由に過ごすことができます。

なお、公休の日程の決め方は会社ごとに異なります。曜日を固定している会社もあれば、シフトによって毎週曜日が変わる会社もあります。

また明け番や公休とは別に、有給休暇や夏季休暇などを取ることもできます。タクシー運転手はサービス業なのでゴールデンウィークやお盆の時期も仕事がありますが、有給休暇を上手く利用すれば三連休以上を確保することも可能です。

睡眠をしっかり取る

タクシー運転手は体力が必要な仕事です。仕事中に体力を維持するためには規則的な生活を心掛け、プライベートでも体をケアしながら過ごすことが重要です。

体力維持のために一番大事なのは睡眠時間です。特に隔日勤務の場合は1日で2日分の仕事をこなすため、起きている時間が20時間以上に及びます。そのため、休みの日はしっかりと睡眠を取るドライバーが多いです。睡眠不足の状態で仕事をしていると、安全運転に支障をきたす恐れもあるので尚更です。

仕事を始めたばかりの頃は、特殊な生活に体がついていかず疲れることが多いかもしれません。しかし、だんだん慣れてくると休みの日に上手く休息を取る方法も分かってきます。生活リズムが整ってくれば、タクシー運転手はむしろ休みが多く自分の時間を多く確保することができるのです。

【まとめ】タクシー運転手の1日を把握しよう

タクシー運転手のメインとなる勤務形態である隔日勤務は、普通のサラリーマンよりも勤務時間が長いので体力的にしんどい部分があるのは確かです。なので睡眠の時間や食事の時間などをきちんと決めておき、規則的な生活を心掛けることで体のケアをすることが大切です。

タクシー運転手は体が資本です。仕事を懸命にこなすことももちろん重要ですが、それだけでなくしっかり休みを取ることも同じだけ重要です。これからタクシー運転手の仕事を始める人は、休みや睡眠時間を上手く確保しながら仕事を頑張ってください。

この記事のまとめ

☑主な勤務形態は隔日勤務と日勤の二通り
☑日勤は1日8時間の勤務
☑隔日勤務は1日20時間前後の勤務
☑隔日勤務は休みも多い
☑タクシー運転手は睡眠をしっかり取ることが大切
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