投稿日:2020年10月29日 | 最終更新日:2020年10月29日
これからタクシー運転手になろうとしている方なら「長く続けられる仕事なのか?」ということが気になるのではないでしょうか。
そうなると”離職率”をチェックしておきたいはずです。
離職率はその業界の待遇や過酷さがにじみ出る部分なので、他の業界と比べてどうなのか確認するのは良い方法といえるでしょう。
そこで、今回はタクシー業界の離職率についてまとめました。
離職に至る理由や、長く働ける会社を見つける方法など、幅広くお伝えしていくのでぜひ参考にしてくださいね。
この記事を読んだらわかること
☑︎他の業界と比べてどうなのか
☑︎タクシー運転手が離職に至る理由
☑︎優良なタクシー会社を見つける方法
タクシー運転手の離職率は約10%程度
まずはタクシー業界の離職率について解説します。
タクシー運転手の離職率は高いといわれていますが、実際には約10%※という統計結果が出ています。
この数字が高いのか?低いのか?参考として、他の業界の離職率と比較を交えながら見ていきましょう。
※参考:東京ハイヤー・タクシー協会資料(http://www.taxi-tokyo.or.jp/datalibrary/pdf/hakusyo2016/hakusyo2016_2122.pdf)
タクシー業界の離職率は決して高くはない
約10%という数字は、どちらかといえば優秀な方です。産業全体の離職率は平均30%を超えているからです。
ちなみに”離職率”とは、入社後3年以内に離職する確率を示しています。
厚生労働省の発表によると、1年ごとに1割強の離職者が出て、最終的には30%以上の離職率となります。
いくつかの産業を例にとると、以下のようになります。
- 宿泊業・飲食サービス業(約50%)
- 医療・福祉(約39%)
- 小売業(約37%)
- タクシー運転手(約10%)
- 電気・ガス・熱供給・水道業(約9%)
飲食業界はやはりダントツに高くなっています。医療や福祉、小売業などサービス業の離職率も平均を上回っていますね。
これらに対して、タクシー運転手は決して離職率が高くないことがわかります。電気・水道などインフラ系の業界並の安定感を誇っているといえるでしょう。
タクシー運転手は働き方が選べたり、人間関係に縛られず気楽に働けるメリットがあります。スキルさえ身につければ誰でも稼げるところも魅力です。
「慣れてしまえばタクシーほど良い仕事はない」と感じる人も多いかもしれません。
タクシー会社でも離職率が高い会社・低い会社が存在する
「タクシー業界全体では離職率が低め」という結果でしたが、これは勤める会社によって差があります。離職率が高いタクシー会社もあれば、低い会社も存在するわけです。
- 給料が良いかどうか
- 配属初期の給料保障
- 勤務体系が選べるか
- 子育てサポートの有無
- 研修制度の充実度
こういった部分でタクシー会社ごとに違いがあるため、転職の際にはタクシー会社選びを慎重におこないましょう。
離職率10%のタクシー運転手は、どうして辞めたのか?
タクシー運転手を辞めた10%ほどの人たちは、なぜ退職したのか?理由が気になりますよね。
ここではタクシー運転手によくある退職理由をまとめました。
ネガティブな理由だけでなく、ポジティブな理由もあったので、しっかりと参考にしてください。
その①:仕事の面
タクシー運転手の仕事内容は、接客業ともいえます。
時には酔っ払いや横柄な態度をとるお客さんの対応をしなければいけませんし、理不尽な思いをして仕事が苦になってしまうケースもあるでしょう。
そしてタクシー運転手は1日中車を運転しますが、仕事中に事故や違反を起こしてしまうこともあるでしょう。
仮に免停となってしまうと乗務できません。運転できなければ収入を得られないため、人によっては辞めざるを得なくなってしまいます。
また、ネガティブな理由ばかりでなくポジティブな理由で退職する場合もあります。
優秀かつ経験を積んだタクシー運転手なら個人タクシーとして独立するでしょう。ハイヤー運転手に転職するパターンも多いです。
向上心を持ってタクシーの仕事に取り組んでいると、キャリアアップの機会も存分にあるということです。
その②:給与の面
「タクシー運転手は運転するだけで簡単に稼げる」と安易に考えて入社した人は、スキルアップできず収入が安定しません。
すぐに高収入を得られる運転手はそう多くないので、安易な気持ちで業界に入ると「想像と違う…」ということになり、退職する結果となるでしょう。
タクシー運転手は慣れてしまえば快適な仕事かもしれませんが、はじめのうちはそれなりの努力をして地理や集客方法を身に付けるわけです。
月に100万円以上売り上げているタクシードライバーは、間違いなく反省と改善を日々繰り返しています。
簡単に稼げる仕事は存在しないことを思い出し、安易な考えで取り組まないようにしたいものです。
その③:健康の面
タクシー運転手は普通のサラリーマンよりも生活リズムが乱れがちです。
それは1日20時間勤務する”隔日勤務”で働く人が多いからです。昼夜が逆転して体調を崩すパターンはよく見られます。
特にタクシー運転手として働き始めの頃は、どうしても体力的にキツイ部分があるでしょう。
しかし、隔日勤務は慣れてしまえば悪くありません。月の半分以上が休日となるため、プライベートの時間を確保しやすいメリットがあるからです。
可能であればまずは日勤・夜勤で慣れていき、経験を積んでから隔日勤務にシフトしていくといいかもしれません。
また、タクシー運転手の職業病といえば腰痛です。ずっと運転席に座っているので腰に負担がかかりがちになります。
一度腰を痛めてしまうとなかなか治らないため、普段から運動やストレッチをしておき、少しでもおかしいなと思ったらすぐに病院を受診しましょう。
その④:年齢の面
若い世代の雇用が増えてきたとはいえ、タクシー業界の平均年齢は60歳前後と高めです。
これは一般企業を定年退職してからタクシー運転手として働く人が多いからです。年金だけでは生活費が心もとない、という方にとってはうってつけの再就職先なわけですね。
このことから、そもそも高齢な方が多いのであまり長く働けない場合が多く、年齢の面で退職となります。
ちなみにタクシー業界はおおむね75歳までの採用を認めています。
タクシー運転手は簡単で楽ではないが、努力次第で稼げる
タクシー運転手は簡単な仕事ではありません。
他のドライバーとお客さんを取り合う競争社会であり、努力しないと稼げないでしょう。
また、生活リズムや健康管理に人一倍気をつけなければいけません。お客さんの安全のため、事故を起こさないような細心の注意を払うことも必要ですね。
しかしこれらは、慣れてしまえば普通のことです。どの業界でも「慣れるまでは大変」ですよね。
心構えさえしっかり持っていれば、タクシー運転手も特別に辛い職業ではないでしょう。
むしろ、タクシーの仕事は努力と工夫次第で大きく稼げます。
丁寧な接客を心がけることでお客さんから指名をいただくこともあり、やりがいを感じるタイミングも多いのではないでしょうか。
やる気とガッツのある方であれば、コツコツと自分の経験値とスキルを身に付け収入も上げられるでしょう。
ゆくゆくは個人タクシーとしての独立などキャリアアップし、将来的には豊かな未来も掴めるはずです。
転職に失敗しないための方法
ただし、タクシー会社の選択を間違えてしまうと「思ってたのと違う…」という残念な結果になる可能性が高いです。
就職や転職の際にはできるだけ慎重に会社選びをし、納得できる会社を見つけてください。
とはいえ、どの部分に気をつけて会社選びをしていいのか分からない方も多いと思います。
結論としては、会社選びのポイントは以下の通りです。
- 給料面(保障額や歩合制の取り分など)
- 勤務形態(日勤、夜勤、隔日勤務など。選択可能かどうか)
- 福利厚生(会社員としての基本的な保障を得られるか)
- キャリアアップサポートが整っているか
これらの条件をチェックしましょう。
求人広告に載っている内容が全てではないので、目先の数字に飛びつかないことも大事です。
また、自分のライフスタイルに合った働き方ができるかもよく考えてみてください。
キツい勤務内容を続け、体調を崩してしまったら元も子もありません。勤務スタイルが選べたり、短い時間や出勤日数でもOKなのかどうか、柔軟性のある会社もあります。
もし自分で会社を選ぶのが心配な場合は、タクシー業界に詳しい専門のコンサルタントに相談してみるのが間違いありません。
不安や疑問を解消し、良い会社を紹介してくれるでしょう。
【まとめ】離職率が低いタクシー会社に勤めよう!
今回の記事で、タクシー業界の離職率はそれほど高くないことがお分かりいただけたと思います。
離職理由についても、ネガティブな理由ばかりでないということを覚えておいてください。
現在は、福利厚生や給料保障などさまざまなサポートが充実した優良タクシー企業も増えてきています。
タクシー業界での経験や知識が豊富な専門のコンサルタントならば、一人ひとりの給料や勤務体制などの希望に合った提案をしてくれるので、ぜひ利用してみてください。
この記事のまとめ
☑︎タクシー運転手の離職理由4選は仕事内容・給与・健康面・年齢
☑︎離職率が低く働きやすいタクシー会社を選ぶべき
☑︎転職に失敗しないためにもタクシー専門コンサルタントを活用してみよう