投稿日:2020年7月23日 | 最終更新日:2020年7月23日
日本の経済においてインバウンド消費は非常に重要なものであり、外国人観光客はとても大切な存在です。そんな外国人観光客の移動手段として使われることが多いのがタクシーです。特に観光地となれば外国人観光客を乗せる機会は必ずあるはずですので、対策をしっかり考えておく必要があります。
そこで今回の記事では、外国人観光客を乗せたときにトラブルを起こさないために、対処法や考察などを詳しく解説していきます。タクシー業界に入ったばかりの新人ドライバーや、タクシー業界へ転職を考えている人はぜひ参考にしてください。
この記事を読んだらわかること
☑外国人観光客を分析して見えてくること
☑外国人観光客とトラブルを起こさないための対処法
外国人観光客はタクシードライバーが注意すべき”お客様”
乗ってくるお客さんが日本語を話せない場合、意思疎通がスムーズに行えず、面倒なことになりがちです。今回は、そんな日本語の話せない”外国人観光客”の特徴を紹介していきます。
トラブルが起きやすい
まず、外国人観光客の多くは日本語をペラペラに話せません。日本で働いている労働者の外国人とは違って”観光”を目的に日本を訪れているため、ガイドブックは持っていてもそれを上手く言葉で伝えられる可能性は低いのです。
そのため、まず目的地を聞き出すだけでも一苦労するという状況になりがちです。外国人観光客の中にはタクシー運転手に対し、多国語を理解できるなどの万全なサービスを期待している人もいます。
また、送迎の枠を超えたサービスの要求も多々あります。例えば「ここで写真を撮りたいから車を止めて欲しい」と外国語で言われた際、それをすぐに理解して車を止めることはかなり厳しいです。お客さんとのコミュニケーションが要となるタクシー運転手にとって、言葉が通じないというのは大きな問題です。
日本語をそもそも理解できるのか?
外国人のお客さんに接客をするときに重要になってくるのが「日本語が喋れるのかどうか」ということです。先ほども触れましたが、外国人でも日本に長く住んでいる人は日本語を普通に話せたりある程度理解してくれますので、意思の疎通がぐっとしやすくなります。
しかし観光で来ている外国人のお客さんで日本語が話せる人は非常に少ないです。特に日本語は外国人からしたら難しい言語とされていますので、流暢に話せるという人はなかなかいません。
外国人のお客さんが乗ってきたらまずは日本語が喋れるかどうかを確認し、話せないようでしたらその場その場で対処をしていきましょう。
英語が喋れるかどうかもかなり重要
日本語は喋れなかったとしても、外国人のお客さんが英語を喋れるのかどうかも重要です。英語を喋れる外国人であれば、簡単な英単語をつなぎ合わせるだけでも目的地を聞き出す程度のコミュニケーションを取ることができます。
例えば「ホテル」や「エアポート」、「マップ」などは外国人観光客がよく使う言葉ですので、最低限の英単語は覚えておくことをおすすめします。
最も難しいのが英語を話せないお客さんです。中国語オンリーやロシア語オンリーなど日本人に馴染みのない言語は単語を聞き取ることすら難しいため、目的地を聞くだけでもかなり苦戦します。
【疑問】乗車拒否はできるのか?
一部の例外を除き、タクシー運転手はお客さんの乗車を拒否することは原則できません。法律でも決まっていることですので「相手が外国人だから」という理由で乗車を拒否すると、それは違反行為に当たります。
ただし相手が危険物を所持していたり、嘔吐しそうなほどに泥酔していたりする場合は乗車を断ることが可能です。
お客様をあえて分析してみる – 外国人観光客編 –
外国人観光客とのトラブルを再発防止・改善するためには、そのときの状況を具体的に分析するのが最適です。ここでは各トラブルの原因や経緯を深掘りしていき、どうしてそのような状況になったのかを分析して解説します。
【分析その1】なぜ移動手段としてタクシーを選択したのか
外国人観光客が日本に来た際に最も多く使われる交通手段は電車だとされています。電車が通っていないような場所だとバスも多いです。では外国人観光客がタクシーを利用するのには何かしらの理由があるはずです。
まず一つ目に考えられるのが、電車までの道がそもそも分からず手っ取り早くタクシーを利用したというパターンです。タクシーの文化は海外にもあるため馴染みが深く、利用はしやすいはずです。また、日本の鉄道は路線がややこしいため、乗り間違いを避けるためにタクシーを利用するというパターンもあります。
他には時間帯が深夜で終電もバスもなくなってしまったという可能性もあります。どうしてもホテルや宿泊先などに帰らなければならない事情があるときにも、タクシーは利用されやすいです。
観光客であれば移動手段に掛かるお金を特に気にしないという人も多いです。外国人観光客の中にはリッチな人も数多くいますので、移動手段として楽なタクシーが選ばれているのかもしれません。
【分析その2】そもそもどこへ行きたいのか?
外国人観光客はそもそもどこへ行きたくてタクシーを利用するのでしょうか。目的地は人によって異なりますが、多いのは宿泊するホテルや観光名所などです。逆にホテル付近からの出発であれば空港に行きたいという人が多くなります。
空港は限られたものですので「エアポート」という単語さえ聞き取れれば目的地にスムーズに向かうことができます。しかしホテルや観光地は様々な場所がありますので、きちんとホテル名や場所の名前を聞かなくてはいけません。
そこで外国人観光客がスマートフォンの地図を提示してくれればコミュニケーションがスムーズになります。外国人観光客の行き先は人それぞれですが、マップなどを利用してだいたいの場所さえ把握できれば目的地までの運送はこなせます。
【分析その3】どのような目的で日本にきているのか?
では外国人のお客さんはどのような目的で日本に来ているのか、たいていの場合は観光です。日本は旅行先として海外からの人気が高いため、外国人観光客が非常に多いです。ただし観光所巡りや買い物など、お客さんによって目的は違います。
タクシーでの観光案内は売上アップのチャンスなので、外国人のお客さんが乗ってきたら目的地は観光地なのかどうかをまず確認しておきましょう。相手が日本語を話せたり、余裕があれば観光地の説明などをしてあげると喜ばれます。
コミュニケーションには苦戦するかもしれませんが、観光客への営業に成功すればその分のリターンは大きいです。
タクシー運転手が知っておくべき外国人観光客とのトラブルを避けるためのQ&A
ここでは外国人観光客が実際にタクシーに乗ってきたときの対処法を解説していきます。
あらかじめ簡易的な翻訳道具を用意しておく
外国人観光客への対処法として、あらかじめ翻訳ができる機器を用意しておきましょう。本格的な音声翻訳機を用意しておくのでもいいのですが、会社の方針によっては経費で落とせないこともあります。最近ではスマホのアプリで翻訳して会話をすることも可能なので、アプリをスマホに入れておくと安心です。
スマホの翻訳アプリはほとんどが無料で使うことができます。精度100%とは流石にならないものの、目的地を聞く程度の簡単な会話でしたらアプリでも十分にすることができます。
外国人観光客の多い場所でタクシーの営業をするなら、翻訳アプリはほぼ必須です。事前にインストールしていつでも使えるようにしておきましょう。
タクシーに乗せる前に意思の疎通は可能か確認しておく
タクシーにお客さんを乗せる以上、目的地の確認や送迎後の支払いなど、最低限のコミュニケーションを取る必要があります。そのため、外国人観光客をタクシーに乗せる前にどの程度の意思疎通ができるのかを確認しておくのが重要です。
日本語が少しでも話せるお客さんであれば、観光地の案内をしてあげるなど運転中にもコミュニケーションを取ることができます。逆に日本語が全く分からないお客さんなら、まず目的地を聞くことを最優先にするため、翻訳アプリなどを使って対処しなければならないと判断できます。
迅速に対応するためにも、まず初めに意思疎通が可能かどうかの確認を取るようにしましょう。
チップを提示されたら?
海外にはチップの文化が根付いている国があります。チップ文化のある国からの外国人観光客は、タクシーを降りる際にマナーとしてチップを手渡してくれることがあります。日本ではチップの文化に馴染みがないため、いきなり提示されたら少し困ってしまうかもしれません。
基本的にチップは会社の規定に従い、受け取るか受け取らないかを選択すれば問題ありません。たいていの会社ではチップは受け取っても良いとされています。
外国人観光客からチップを受け取るときは、きちんと感謝の意を伝えましょう。
【まとめ】タクシーの外国人観光客には様々な対応策がある!
外国人のお客さんとは意思の疎通が取りづらく、それが原因でトラブルに発展することもあります。しかし、外国人観光客の対応に慣れて、きちんと接客応対ができるようになると売上アップが見込めます。そのため外国人観光客への対応を学んでおくことは重要です。
余裕があれば簡単な英会話の練習や、よく使われる英単語を覚えたりしてみるのがおすすめです。なかなか練習する時間が取れなければ、翻訳アプリをインストールして使い方だけ覚えておきましょう。外国人観光客への対処法を身に着けて、ぜひ売上アップを目指してください。
この記事のまとめ
☑ホテルや観光地などが目的地の場合が多い
☑観光案内ができれば売上アップのチャンス
☑翻訳ツールを用意しておくと便利