タクシー会社と運送会社の違いとは?仕事内容や転職方法を徹底解説

投稿日:2020年9月1日 | 最終更新日:2020年9月1日

タクシー会社は業種区分としては「運輸業」に当てはまります。運輸業は旅客や貨物を運送する業種です。同じ運輸業であっても、タクシー会社と運送会社は仕事内容や勤務形態などに大きな違いがあります。しかし、どちらとも車の運転が仕事のメインとなることなど共通点があるのも確かです。

今回の記事ではタクシー会社と運送会社の違いについて、両者の仕事内容を紹介しつつ詳しく解説をしていきます。運送会社からタクシー会社への転職についても紹介しているので、タクシー運転手への転職を検討している人はぜひ参考にしてください。

この記事を読んだらわかること

☑タクシー会社と運送会社の仕事内容
☑タクシー会社と運送会社の違い
☑運送会社からタクシー会社に転職は可能かどうか

タクシー会社と運送会社それぞれの仕事内容

まず、タクシー会社と運送会社はそれぞれどのような仕事をしているのでしょうか?ここでは両者の仕事内容を詳しく解説していきます。

タクシー会社の仕事内容

タクシー運転手のメインとなる仕事は、お客様を安全に目的地まで運ぶことです。運輸業の中の「旅客を運送する仕事」に当てはまります。お客様と直接関わる仕事であるため、必然的に接客をする必要も出てきます。

また、タクシー運転手は売上をアップさせるために営業にも力を入れなければなりません。ただ何となくタクシーを走らせるのではなく、どうすれば売上を伸ばせるのかを日々考えながら仕事をこなしていきます。

他には自分が乗車する車両の点検やメンテナンスも大切な仕事です。お客様を安全かつ快適に目的地に運ぶためには、安全確認や清掃などが欠かせません。

このようにタクシー運転手の仕事を細かく分けると、運送・接客・営業・点検など仕事内容は多岐に渡ります。

運送会社の仕事内容

運送系ドライバーのメインとなる仕事は、物をトラックに積んで指定の目的地まで運ぶことです。運輸業の中の「貨物を運送する仕事」に当てはまります。タクシーはお客様によって目的地が異なりますが、貨物運送は目的地がだいたい同じであることが多いです。

また、運送会社の中でも会社によって仕事内容は異なってきます。例えば長距離を運転する仕事もあれば、毎日決まったエリアのみを回るルート配送の仕事もあります。

運転する車両も、大型トラックから小型トラック、軽トラック、トレーラーなど会社やドライバーによって変わります。このように貨物運送は会社によって仕事の内容に違いが出ます。

仕事内容は違うが共通点も多い

タクシー会社は「人」を運ぶ仕事であり、運送会社は「物」を運ぶ仕事です。そのため仕事内容や勤務形態はかなり違いがあるのですが、共通している部分も多いです。

一番大きな共通点はどちらとも車を長時間運転する仕事であることです。なのでどちらの仕事も、そもそも車の運転が好きだったり得意な人に向いています。

また、なるべく最短ルートで運送をするのも大切なスキルなので、地理把握能力が必要なところも共通しています。タクシー運転手も運送系ドライバーも、ひとつの運送を早くこなす効率の良さが求められます。

タクシー運転手と運送ドライバーの違いを比較

ではタクシー運転手と運送系ドライバーの具体的な違いは何なのか、必要な資格や勤務形態などから比較をしていきます。

必要な資格

タクシー運転手に必要な資格は普通自動車免許と第二種免許です。第二種免許は旅客車両を運転するために必要な資格なのですが、基本的には入社後に取得をするため転職の前に資格を持っている必要はありません。また、東京や大阪など一部のエリアでは地理試験に合格する必要もあります。

運送会社は普通自動車免許の他、中型自動車免許や大型自動車免許などが必要な場合があります。どの資格が必要なのかは運転するトラックや会社によって異なります。大型免許は難関資格なので、入社後に資格取得をサポートしてもらえるパターンが多いです。

給与体系や年収

タクシー会社では固定給+歩合制の給与体系を採用している会社が最も多いです。歩合給の部分はタクシー運転手個人の売上によって決まるため、ひとりひとりの年収に差が出やすいです。平均年収は300万前後と言われていますが、ベテランのドライバーになると600万円を超える年収を稼いでいる人もいます。

運送会社では、固定給にプラスして時間外手当や歩合給が支払われるといった給与体系が採用されています。歩合給の基準は会社によって異なるのですが、基本的には運送の売上や走行距離で決まります。長距離走行には体力が必要なことや、人手が足りていないことから平均年収は450万円前後と高めです。

勤務形態

タクシー運転手は隔日勤務という少し特殊な勤務形態で仕事をしているドライバーが多いです。隔日勤務は1日仕事をして1日休むというシステムで、1日の勤務時間が20時間~22時間と長めです。その代わり休みが多く、月の半分以上は休日になります。なお、少数ですが日勤で仕事をしているタクシー運転手もいます。

運送ドライバーは職種によって勤務形態に違いがあります。長距離のトラックドライバーの場合は夜勤が多く、勤務時間は13時間~16時間ほどです。ルート配送の場合は日勤がメインとなっており、勤務時間は8時間~9時間と普通のサラリーマンとほぼ同じです。

スキル

タクシー運転手も運送ドライバーも、どちらも車を運転する仕事であるため運転スキルは必須になってきます。

タクシー運転手はそれに加えて接客もしなければならないため、コミュニケーション能力やトラブルの処理能力が必要です。毎日色々な人と関わる機会があり、中には気難しいお客様も存在するので対人能力は磨いておくに越したことはありません。

運送ドライバーは配送の時間がシビアに決まっていることが多く、遅れると会社の信用問題に関わります。そのため、荷物の積み方や最短ルートを計算するなど、スケジュールの管理能力が必要です。

タクシー運転手と運送ドライバーの違いをまとめてみた

これまで紹介したタクシー運転手と運送ドライバーの違いについて、表にまとめました。

タクシー運転手 運送ドライバー
必要な資格 普通自動車免許
第二種免許
普通自動車免許
小型・中型・大型免許
給与体系 固定給+歩合給(個人の売上) 固定給+歩合給(走行距離や運送売上)
平均年収 約300万円 約450万円
勤務形態 隔日勤務・日勤 夜勤・日勤
スキル 運転スキル
コミュニケーション能力
トラブル処理能力
運転スキル
大型車両の運転スキル
スケジュール管理能力

どちらも車を運転する仕事なので共通している点も多々あります。しかし仕事内容は違うため、求められるスキルや必要な資格などは少しずつ違っています。

歩合給での稼ぎ方や、勤務形態なども異なるため、転職を検討する場合はそれぞれの違いをしっかり把握しておきましょう。

運送会社からタクシー会社への転職は可能?

同じ運輸業でありながら、タクシー運転手と運送ドライバーの仕事内容は異なりますが、運送会社での就業経験をタクシー会社に活かすことはできるのでしょうか。

ここでは運送会社からタクシー会社への転職について詳しく解説をしていきます。

タクシーと運送の仕事は共通点も多い

運輸業であるタクシー運転手と運送ドライバーの仕事は共通点が多いです。どちらとも車を運転する仕事であることや、営業利益を追求するために効率を重視しなければならないこと、また、接客スキルが必要なところも共通点です。

運送ドライバーはトラックで物を運ぶだけと思われがちですが、配送先への対応や個人のお客様とのやり取りも発生するため、ある程度の接客マナーが求められます。ドライバーならではの接客マナーはタクシー運転手の仕事にも活かせるはずです。

ドライバー経験は転職に有利になる

タクシー運転手の仕事をするためには安全運転をする運転スキルが必要不可欠です。運送ドライバーは1日の大半を車の運転に費やすため、運転技術や集中力、更には体力が高い人が多いです。そのためタクシー運転手に転職をした後も、安全運転を心掛けてくれることが期待できます。

集中力を使って車の運転をするのは非常に神経を使います。ドライバーの経験がある人というのは、長時間の運転に慣れていることが想定されるため、運送ドライバーとして積み上げた経験は転職の際に必ず有利に働きます。

タクシー運転手の仕事は未経験であっても、ドライバー職の経験があれば転職が上手くいく可能性がぐっと高くなります。

地理の強さを活かせる

運送ドライバーは配送先へ効率よく物を届けなければならないため、目的地までの最短ルートをあらかじめ把握しておかなければなりません。そうでなければ指定の時間までに物を届けられなかったり、1日で全ての荷物を届けられなくなったりするためです。

なので運送ドライバーは、担当エリア内の地理を基本的にきっちりと把握しています。もしタクシー運転手の仕事を同じエリア内でするのならば、地理を把握していることは転職での強みになります。

エリアを変えて転職をする場合でも「地理把握能力が高い」というのは面接でのアピールポイントになりますので、積極的に自己PRに取り入れていきましょう。

求人需要が高い

近年のタクシー業界は高齢化が進み、常に人手不足の状態が続いています。そのため、未経験からの転職であっても積極的な採用を行っている会社が多いです。年齢は基本的に不問ですが、特に若い人材は転職に有利です。

タクシー運転手は異業種から転職する人が非常に多い仕事でもあります。なので「ドライバーとして働いた経験がある」というのは、タクシー運転手の転職において非常に有利なのです。

転職活動をする際には「ドライバーとしての経験をタクシー運転手の仕事にどう活かすのか」を考え、アピールをすればきっと上手くいくはずです。

【まとめ】タクシー会社と運送会社は似ているようで全く別の仕事

タクシー会社と運送会社は同じ運輸業ですが、人を運ぶのか物を運ぶのかという点で仕事内容が大きく異なっています。しかしどちらも長時間の運転が必要なことや、地理把握能力が求められることなど共通点も多々あります。そのため、運送ドライバーからタクシー運転手への転職は非常に有利です。

なお給与体系や勤務形態は会社によって細かな違いがあるため、転職をする際にはあらかじめ確認を取るようにしましょう。運送ドライバーの経験を活かして、ぜひタクシー運転手としても活躍をしてください。

この記事のまとめ

☑タクシー運転手は「人」を運ぶ、運送ドライバーは「物」を運ぶ
☑タクシー運転手と運送ドライバーは資格やスキルが違う
☑タクシー運転手と運送ドライバーは共通点も多い
☑運送ドライバーからタクシー運転手への転職は有利
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