コロナウイルスがタクシー業界に与える影響とは?採用と営業両面で調査してみた!

投稿日:2020年4月25日 | 最終更新日:2020年7月10日

瞬くうちに世界的流行に見舞われた新型肺炎コロナウイルスですが、経済への影響も続々と報じられ、各業界対応に追われていますよね。タクシー業界でも営業・採用両面に大きな影響が出ましたが、この難局を乗り切ろうとそれぞれに工夫を凝らし成果を上げています。

ここでは、タクシー業界がコロナウイルス流行に対して新卒者や転職希望者の面接など採用面で工夫している取り組みや、日頃の営業面で注力している予防・対策などを中心にご紹介していきます。タクシー会社の採用試験を検討されている方やタクシーのご利用を迷われている方はぜひ参考にしてくださいね。

この記事を読んだらわかること

☑︎コロナウィルスでタクシー会社の採用面接はどうなる?
☑︎感染症流行時でも安心な2つの採用面接方法とは?
☑︎ウィルス流行時に直接面接を行うタクシー会社の『なるほど!』な工夫とは?
☑︎コロナウイルス流行がタクシー業界にも影響!その実情とは?
☑︎コロナウィルス流行下でタクシー会社が行っている営業上の対策とは?
☑︎タクシーでのウィルス感染が意外と低リスクな3つの理由
☑︎ウィルス流行時の移動にタクシーを検討してみよう

コロナウィルスでタクシー会社の採用面接はどうなる?

企業が新卒者の採用を見送るなど深刻な影を落としているコロナウイルスの感染拡大ですが、タクシー会社も例に漏れず対応に追われています。もともとお客様との距離が近いタクシーは、換気や衛生面をより重視して対策している会社が多いですが、今回は営業のみならず業界の将来に深く関わる採用にも影響が出始めたため、早速新たな取り組みが始まっており、概ね滞りなく求人募集してくださる方々をお迎えしているようです。

自動運転技術の進歩がある中で、その技術力を活かしつつも、介護・子育て・観光といった幅広いシーンでニーズが拡大し続けているタクシー運転手は、今後ますます将来性ある職業として就職・転職先に選ぶ方が増えています。この記事ではまず、このようなウィルス流行の環境下でもタクシー会社で安心して面接などの採用試験を受けていただけるよう、タクシー業界が実践している取り組みについて、引き続きご紹介していきます。

感染症流行時でも安心な2つの採用面接方法とは?


コロナウイルスだけにかかわらず、感染症流行時にいつも企業の悩みの種となるのが採用試験の一環である面接です。今回降って湧いたように拡大したコロナウイルスに伴い、タクシー業界を含む多くの業界で直接対面しなくて良い面接方法が導入されています。ここではウィルス流行時にも安心して受けられるリモート面接についてご説明します。

電話面接

電話面接とは、近年大企業が採用の効率化を図るために一次面接として利用することで注目されてきた面接方法です。面接担当者は送られた履歴書を見ながら受験者に対して質問をしていきます。電話面接では、相互に会話に集中できるよう、電波環境の良い所で実施する気遣いが不可欠です。また、ウイルス流行時の感染リスク低減はもちろん、直接会う面接と比較すると受験者の緊張が軽減できる点もメリットと言えます。

Web面接

Web面接とは、スカイプなどのWeb通話サービスを利用して行われる面接です。もともと国際的に人材を募集している企業やWeb関連業務の多い企業がリモートワーク要員のためにWeb面接を実施することはありましたが、昨今の感染症問題でWeb面接を新たに導入する企業が増えており、タクシー業界でも導入する会社が出てきています。電話面接同様、現地に赴く面接に比べればリラックスして行えるほか、交通費がかからない点も魅力です。受験される場合は、ビデオ通話ですと身なりをチェックされるので、現地面接同様に髪型や服装などに注意するのが鉄則です。

ウィルス流行時に直接面接を行うタクシー会社の『なるほど!』な工夫とは?


コロナウイルスなどのウイルス流行時には、先ほどご紹介した電話面接やWeb面接が感染予防対策として有効です。しかし、そもそもこのような簡易的な面接は一次試験の意味合いで行われる場合がほとんどで、緊急的な事態とは言え、採用試験を受ける方に直接お会いできないのは企業にとってリスクもあります。そんなジレンマがある中、タクシー業界では受験者の方に直接お会いできつつ、ウイルス感染拡大予防にも配慮した面接方法を実践している企業が見受けられます。ここではその画期的な面接方法をご紹介します。

自家用車で面接に臨んでOKな会社がある

ウィルス流行期に面接へ出かけることは、面接会場での感染リスクもさることながら、会場への行き来に利用する公共交通機関の中での感染リスクも大きな不安要素となります。タクシー会社の中には、もともと完備する駐車場の広さを活かして、面接受験者の方にも車での来場を許可しているケースが少なからず見られます。大都市圏ではマイカーによる面接参加や入社後の車通勤を不可とする企業が多いので、この点はタクシー会社ならではとも言えるメリットと言えるでしょう。

出張面接を行っている会社がある

タクシー業界に就職・転職したい方の中には、地方から都心部へ移住して良い待遇で稼げるようになりたいと考える方が少なくありません。こうしたニーズに応えるために、かねてからこの業界には出張面接を実施している会社が多く見受けられます。出張面接とは、地方で会場を決めて採用試験受験者の方を集めて面接を行うというもの。この方法ですと長距離移動が避けられ、疫病の罹患リスクを下げるだけでなく、かさむ交通費・宿泊費をかなり軽減することが可能です。出張面接を開催するにはそれなりに経費もかかるため、一定以上の規模のタクシー会社に限定されるので、希望する場合は、興味のある会社が出張面接を行っているかどうかを前もって調べておかれることをお勧めします。

タクシー会社の面接方法は”臨機応変”が目立つ

タクシー会社の中には、そもそもさまざまな業界や地域から転職・就職される方の受け入れを想定した採用面接を心がけているケースが目立ちます。実は業界のこのような体質はウイルス流行時の採用試験・面接にも大いに役立つものです。面接方法を各種用意できるのは、登録ドライバー数やタクシーの保有台数が多い会社によく見られる傾向ではありますが、中小規模のタクシー会社であっても、面接のやり方に融通性を持たせている場合があります。いずれにしても、Webの採用ページなどで大々的にうたっていなくても、電話面接・Web面接・出張面接などを行ってくれる場合はあるので、まずは下調べを行うことが重要と言えます。

コロナウイルス流行がタクシー業界にも影響!その実情とは?


日本国内でコロナウイルス感染が話題となり始めた頃、タクシー運転手の感染が報道されたこともあり、タクシーの需要にやや影響が見られた感がありますが、少し時間が経過した今、タクシー業界はどのような現状となっているのでしょうか。ここでは、コロナウイルス感染拡大へのタクシー業界への影響ついてご紹介します。

コロナウイルスでタクシーは業績不振?実際のところを調査してみた!

コロナウイルス感染流行初期にこそ混乱もあったタクシー業界ですが、現状では落ち着きを取り戻しつつあります。感染すると重症化リスクのある高齢ドライバーは乗務を休止するなどの措置を取った企業も見られ、ユーザーの意識も変化し始めています。また、密室としてのタクシーという面よりも、今ではどちらかというと『多人数が集まらない安全な移動手段としてのタクシー』という認識が出始めているとの見方もあります。

大きなイベントの軒並み中止や飲み会需要が極端に落ち込んだことの影響は、通常のタクシーニーズの分布に変化をもたらしてはいます。しかしながら、これまでは電車やバスでの移動を選んでいた方が、感染リスクの少ないタクシーを選ぶという傾向も見られます。ベテランドライバーの中には、景気が悪い時の稼ぎ方・売上の上げ方を経験的に熟知している方も多く、それぞれの工夫や努力で乗り切っているようです。結果的に売上自体にあまり変化がないというドライバー珍しくありません。

コロナウィルス流行下でタクシー会社が行っている営業上の対策とは?

さまざまな事情でタクシーを利用したいけれど、ウイルス感染が不安…この状況下では、そんな心配を抱えた方もおみえになるかもしれません。しかし、ウイルスが出現した当初と比較し、タクシー業界はさまざまな対策を立て実践することで、お客様に安心してタクシーをご利用いただけるような取り組みを行っています。ここではタクシー業界が行っている営業上のウイルス対策についてご報告します。

徹底的な衛生対策

タクシー会社の多くは消毒・換気というコロナウイルス感染予防対策における衛生面の基本行動を励行し、独自のルールを設けて徹底しています。お客様が降車されるごとの丁寧なアルコール消毒およびこまめな換気を欠かさないことはもちろん、走行中にも窓を必ず開けておくといった意識づけが浸透しています。

また、車内のエアコンを外気設定にするなどの細かな対応を行っているという報告もあります。コロナウイルスの感染経緯を見ていくと、換気の悪い場所でなおかつ多くの人が密集した場合に集団感染が起こりやすくなると言われており、大気中に残る可能性のあるウイルスに対し、常に警戒を解かないことが有効的です。

消毒はアルコールで行うのが有効とされてきましたが、ご存知のようにアルコールの品薄状態が続いています。タクシー業界では、インフルエンザウイルスやノロウイルスなどの強力な感染力を持つウイルスや細菌等に対し優れた除菌効果を示す『次亜鉛素酸水』を消毒・除菌用に使用する会社が増えています。次亜鉛素酸水は食品添加物の一種であり、食べ物や皮膚についても心配が少ない除菌水です。消毒効果を上げるのはもちろん、幅広い世代のお客様への安全対策にとっても一助となっています。

国交省がタクシー業界向けにマスクを確保

コロナウイルス感染拡大の抑止として各業界でマスク装着が急務となりながらも、マスクの買占め横行などによって急激に品薄となったことが社会問題となったのは記憶に新しいことです。2020年2月の段階では、タクシー業界でもマスク不足は深刻で、各社備蓄マスクを活用したり手作りマスクを大量に製作したりするなど努力を重ねていました。

しかし3月に入って国土交通省は厚生労働省との連携により、タクシー業界のためにガーゼマスクを大量準備して供給したことが報じられました。今後も徐々に市場が落ち着きをマスク増産や安定供給が回復することが予想され、タクシーに乗車されるお客様の不安要素もまた一つ解消されていくものと考えられます。

高齢者ドライバーの営業自粛

コロナウイルスは感染しても症状が出ない人や軽症で済む人もいるという指摘がありますが、逆に持病のある方や高齢者が感染すると重症化しやすいという分析がなされているのも事実です。こうした背景を踏まえ、タクシー業界ではこの条件に該当する乗務員の業務一時休止をすでに実行している会社も多く見られます。

タクシーでのウィルス感染が意外と低リスクな3つの理由


タクシー内は狭い空間なのでウイルス流行時に利用するのが不安とお考えの方もおられるかもしれませんが、他の移動手段と比べた場合、意外と感染リスクが低い交通サービスであるという見方もあります。ここではタクシーが他者と接触しにくく、換気環境の整った交通手段と言える3つの理由をご説明します。

ドライバーや乗客と接触する場面が少ない

タクシーは大型を除けば、乗務員を除いた最大乗車人数が通常4人です。1人ないし2人で1台をご利用になるケースも多く、また特殊な車両を除けば対面で乗車することがないため、他者と接触したり飛沫を浴びるリスクは高くありません。また、ドライバーとの会話もお客様の一存で回避することが可能です。さらに、他の公共交通機関と異なり、つり革や手すりなどにつかまる必要もない上、ドアも自動開閉なのでドアにさえ触れる必要がありません。座席に座る以外にどこにも触れなくて良い交通手段は、他にあまり例がないと言えるでしょう。

狭い空間だがその分喚起も早い

タクシーは狭い密室空間ではあるものの、よほどの天候不良でもない限り乗車中ずっと喚起していることも可能です。そもそもタクシー車内は狭いため、全体換気を短い時間で完璧に行うこともできます。新型コロナウイルスは換気の重要性が声高に指摘されている感染症なので、換気効率の良さはタクシーの強みとなっています。

決済方法を選択できる

近年幅広い決済方法があらゆる交通手段で利用できるようになっていますが、タクシーはその中でも選択の幅が広いのが魅力です。ウイルス流行時には嬉しい非接触型の電子マネー・QRコード決済を既に導入しているタクシー会社も多いので、普段は現金・クレジットカードをお使いの方も選択の余地があります。また、現金やクレジットカードでお支払いの方も、座ったまま楽に決済ができるため、支払い後にその場でアルコール消毒などを済ませてから降車することができます。

ウィルス流行時の移動にタクシーを検討してみよう

換気しにくい環境下で一定数以上の人達が集まった時に感染リスクが高まるという警告が絶えないコロナウイルスですが、確かにバス・電車・飛行機といった交通機関は、場合によっては何十人・何百人という人と密室空間に閉じ込められることを余儀なくされる乗り物です。

一方タクシーは、最少であればドライバー1人と空間共有するだけであり、決済方法によっては一切の接触も必要としません。しかも基本的にドアtoドアの交通サービスであるため、余計な場所を通行しなくても目的地に到着できます。特に現在は、どのタクシー会社も感染リスクを下げようと、いつも以上に健康面・衛生面に神経を尖らせている状況です。

外国の例で言えば、イギリスの首都ロンドンでは、ウイルス感染対策として、地下鉄利用を控えてタクシーの配車サービスを利用するよう呼びかけられているといいます。

コロナウイルス流行中とは言え、全ての行動を抑えるわけにもいかない多くの方々にとって、タクシーは今一度注目していただきたい交通手段です。配車アプリなども普及し、予約やお迎えも簡略化されますます便利になっています。次にお出かけの際は、タクシーを交通手段の選択肢にぜひ加えてみてはいかがでしょうか。

[まとめ]タクシー会社は採用でも営業でもウィルス対策に注力している!


コロナウイルス感染拡大の初期には、タクシー運転手の罹患が話題となって一人歩きしましたが、国による外交的措置やタクシー業界内の積極的予防対策、何より一人一人のユーザーの皆様の心がけ・努力により、各タクシー会社は今も滞りなくタクシー業務や採用試験を行っています。そもそも想定外のトラブルに対して危機管理を行うのはタクシー運転手の重要な業務の1つです。タクシー業界は採用面接でも営業面でもウイルス対策を徹底的に行い、明日の業界を担う人材や必要としてくださるお客様を、いつも万全な状態でお待ちしています。不安はおありかもしれませんが、あまり心配し過ぎることなく、タクシー会社への転職やタクシーのご利用を引き続きご検討くださいね。

この記事のまとめ

☑︎タクシー業界の採用面接では非対面型の方法を導入している会社が増えている
☑︎タクシー会社はそもそも他業界からの転職者が多く採用時の融通性も高い
☑︎タクシー業界はコロナウイルス対策にかなり力を入れて取り組み、営業面でも以前と変わらぬ実績を上げているドライバー・会社も多い

プロフィール

プロフィール
29歳から東京でタクシードライバーとしてデビュー。
最高売上は130万。「オレンジ戦隊改めサクラ戦隊」のブログでタクシーの営業ノウハウ等を中心に情報発信。
蓄積した情報を体系化したプログラムを考案し、大手タクシー会社の教育カリキュラム作成等に従事。
現在タクシー会社数社で人材育成で顧問契約。
入社後のアフターサービス特化型のタクシー転職支援サイト「プロタク」(pro-taxi)に2019年より在籍。
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