タクシー運転手の隔日勤務ってどんな勤務形態なの?日勤や夜勤との違いまで解説してみた

投稿日:2020年7月23日 | 最終更新日:2020年7月23日

タクシー運転手は基本的に個人の裁量で仕事を回すため、勤務形態も人によって異なります。勤務形態で1日の労働時間や休日の取り方などが全く変わってくるので、これからタクシー会社に転職しようとしている人はタクシー運転手の勤務形態を知っておきましょう。

今回の記事では、タクシー会社以外ではあまり聞くことのない勤務形態である「隔日勤務」について詳しく解説をしていきます。他の勤務形態との違いや、メリット・デメリットについても紹介しているのでぜひ参考にしてください。

この記事を読んだらわかること

☑タクシー運転手の勤務制度について
☑勤務制度による休日の取り方の違い
☑隔日勤務のメリット・デメリット
☑隔日勤務の1日の業務の流れ

タクシーには勤務制度が大きく分けて2つある

タクシー会社には大きく分けて二つの勤務形態があります。まずはタクシー会社の勤務制度について簡単に紹介をしていきます。

隔日勤制度

タクシー会社の中でも主流な勤務形態となっているのが「隔日勤制度」です。文字通り1日仕事をして1日休むという勤務形態なのですが、労働時間が20時間~22時間と長めです。

例えば朝の6時から勤務開始だとすれば、仕事が終わるのは翌朝の2時~4時ごろということになります。もちろん間に休憩を挟みながらの勤務です。仕事が終わったらその日は休み、また翌朝から勤務という形になります。

隔日勤務の場合は週に3日ほどの出勤となりますので、月間の出勤日数は12日~14日程度です。つまり月の半分以上は休みということです。1日あたりの拘束時間が長い分、休みが多いのが隔日勤務の特徴です。

日勤制度

日勤は普通の会社勤めのサラリーマンと同じように、基本的には1日8時間労働となります。夜に仕事をすることがないため、体力の少ない高齢者ドライバーや家庭を持つ女性ドライバーなどに人気の勤務形態です。

勤務時間はタクシー会社によって異なりますが、たいていは午前7時~8時ごろから勤務を開始し、夕方の16時~17時には勤務終了というところが多いです。

働き方としてはサラリーマンとほぼ同じであるため、月間の出勤日数は20日~24日程度となります。休日は曜日固定のところもあれば、毎月希望日を聞いてシフトを決めるところもあります。

休日の取り方も大きく違う

タクシー運転手は勤務形態によって休日の取り方も大きく変わってきます。ここでは隔日勤務と日勤の休日の取り方について詳しく解説をします。

隔日勤務の休日の取り方

隔日勤務は1日仕事をして、1日休みを取得するというのが基本的な勤務形態です。1日で2日分の仕事をこなし、その分を休日に当てているといった形です。仕事の翌日は「明け番」となり、必ず休みを取らなければいけません。

例えば朝の6時に勤務を開始し、翌日の2時に仕事が終わったとします。その場合は次に出社するのは翌日の6時ということになります。

明け番の他にも週に1日公休があります。公休は明け番の翌日に取得しますので、週に一度は必ず2連休が取得できます。明け番と公休を合わせると週に4日は休みということになりますので、年間休日は230日以上あります。

日勤の休日の取り方

日勤は週に5日仕事をして、2日休みを取得するという、普通の会社勤めのサラリーマンと同じような勤務形態です。ただし休みは土日と決まっているわけではなく、シフト制で決まる場合が多いです。

例えば月曜日~水曜日に出勤し、木曜日は休み、金曜日~土曜日にまた出勤をし日曜日は休みというような休日の取り方になります。休日の曜日は固定でない場合が多いため、連休はやや取得しづらいです。

ゴールデンウィークやお盆休みは基本的には関係ないため、その分をカバーするために会社からの「指定休」が入ることもあります。指定休も合わせて年間休日は120日ほどとなっています。

隔日勤務の休憩は1日に複数回取ることができる

隔日勤務は2日分の仕事を1日でこなすため、労働時間が20時間以上と非常に長いです。そのため隔日勤務の場合は必ず3時間の休憩を取らなければならないと決められています。

とはいえ3時間連続で休憩を取るわけではなく、昼休憩の他に午後や夜間に分けて1日に複数回の休憩を取ります。休憩を取る時間は特に会社から指定があるわけではないので、ドライバーが自分の好きなタイミングで決められます。

1日働いて1日休むというサイクルに慣れてくれば、休日をプライベートとして楽しむ余裕も出てきます。ただ慣れるまでは少し大変だということを頭に入れておきましょう。

隔日勤務のメリット・デメリット

それでは次に隔日勤務のメリットとデメリットをそれぞれ紹介していきます。

メリット

隔日勤務は1日の労働時間が長い分、翌日が丸々休みになるというのが最大の特徴です。公休も合わせると休みは週に4日もあることになりますので、プライベートで自由な時間が取りやすいです。

仕事中の営業に関しても、隔日勤務には大きなメリットがあります。ほぼ丸1日の営業となるため、稼ぎ時を狙って営業をしていけば売上目標が達成しやすいです。

例えば平日に稼ぎ時を狙うのなら、朝の時間の「出勤客」や、夕方~夜にかけての「帰宅客」の両方を拾うことで売上を伸ばすことができます。休日であればイベント会場や深夜の繁華街など、日によって臨機応変に動くことで着実に売上を伸ばしていけるのが隔日勤務の魅力です。

デメリット

隔日勤務は1日の労働時間が20時間を越えるため、体力的にハードな部分があるのは確かです。仕事が終わるのはたいてい深夜から明け方にかけての時間になりますので、生活も不規則になりやすいです。

特に仕事を始めたばかりの頃は、不規則な生活に身体が慣れずしんどい思いをするかもしれません。ライフサイクルも狂いやすくなってくるので、生活や体調をきちんと自己管理する必要があります。

隔日勤務の1日の流れ

ではタクシー運転手の隔日勤務はどのようなものなのでしょうか。ここでは隔日勤務の1日の流れを解説していきます。

① 出社

一般的な出社時間は朝の6時となっています。少し早めに出社をして制服に着替え、点呼に備えます。

② 点呼

朝礼を行い、社員全員で挨拶をします。管理者よりその日の道路状況や注意事項などの共有がありますので、しっかり聞いて営業につながりそうな情報は覚えておくようにしましょう。

朝礼後はひとりひとりアルコール検査が行われます。アルコールの反応が出た場合、その日は仕事をすることができなくなるので気を付けてください。問題がなければ乗務員証が渡されます。

③車両点検・営業準備

安全を確保するため、出庫の前には必ず車両点検を行います。乗車するタクシーの車両はあらかじめ決まっており、基本的には二人で一つの車両を交互に使用します。タクシーを交代で利用する乗務員のことを相番と呼びます。

相番の運転手は自分が乗車していたタクシーを綺麗に洗車して、次の乗務員に引き継ぎます。タクシーを引き継いだらブレーキやライト、カーナビなどに異常が無いかの点検をしていきます。

④営業開始(午前)

車両の点検が終わったら、出庫して営業のスタートです。午前中の営業は、会社に出勤するサラリーマンや買い物に出かける主婦のような都心に向かう人を主軸にお客さんを探しに行きます。

特に通勤ラッシュの時間帯である7時半~9時頃までは稼ぎ時なので、しっかりとお客さんを拾っていきます。

⑤休憩

午前中の営業が落ち着いたらいったん昼休憩を挟みます。休憩は適宜取りますが、昼食を食べるために12時~13時ごろに休憩を取るのが一般的です。

ただし食事後に眠くなるのを防ぐため、あえて昼食を抜いたり時間を遅くしたりするドライバーもいます。休憩の取り方はドライバー個人の自由なので臨機応変に対応していきます。

⑥営業再開(午後)

昼休憩が終わったら午後からの営業を再開します。なお休憩は1回の乗務で3時間取る必要がありますので、昼休憩の後にも休憩を少しずつ挟まなくてはいけません。

夕方の帰宅ラッシュの時間帯や、飲み会終わりなどで終電を逃す人が出てくる夜22時以降は稼ぎ時になりますので、その前に休憩を取るのが一般的です。

なかなかお客さんを見つけられず流れが悪いときも、一度休憩を挟むとまた気持ちを新たにできますので、休憩を上手く活用しながら営業を回していきましょう。

⑦帰社・清掃・点検

勤務終了の時間帯になると会社に戻って車両の清掃や点検を行います。帰社の時間帯目安はおおよそ2時~4時ごろです。清掃と点検が終了したら相番のドライバーにタクシー車両を引き継ぎます。

隔日の勤務であるため、翌日は1日休みの「明け番」となります。体調管理のためにもしっかりと休息を取りましょう。次の勤務は明け番の翌日です。

【まとめ】隔日勤務はハードな反面様々メリットのある勤務体系!

隔日勤務は日勤に比べて身体的にハードな部分があるものの、休日の日数が多かったり営業がやりやすくなったりと様々なメリットがあります。稼ぎやすい勤務形態でもありますので、ベテランドライバーや体力のある若手ドライバーなどはほとんどが隔日勤務で仕事をしています。

仕事に合わせてライフスタイルが変化していくと、1日仕事をして1日休むという勤務形態は逆にワーク・ライフ・バランスが取りやすいと感じているドライバーも多くいます。一見ハードに思える隔日勤務ですが、上手く生活に馴染めばプライベートを十分に充実させることもできますよ。

この記事のまとめ

☑タクシー会社には隔日勤務と日勤の勤務制度がある
☑隔日勤務は1日仕事をして1日休むというのが基本的な勤務形態
☑日勤は週に5日仕事をして2日休むというのが基本的な勤務形態
☑隔日勤務は年間休日が230日以上あり、自由な時間が多い
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