投稿日:2020年7月7日 | 最終更新日:2023年2月1日
転職先にタクシー会社を検討している方の中には、もしもタクシードライバーになって交通事故を起こした場合、どうなってしまうのだろうという不安がある方もおられるのではないでしょうか?もし事故処理費用が全て自分持ちだったり、ケガしても給与を保障してくれなかったりしたら、安心して業務に専念できないかもしれません。そこで今回はタクシードライバーが事故を起こした場合の責任の所在や補償について解説します。実際に事故があった場合に取るべき行動もお伝えしていきますので、タクシーの仕事に関心のある方はぜひ参考にしてくださいね!
ネット上には記載ないですが、実際に事故費用が完全に自己負担になってしまうような会社も事実存在します。就職しようとした会社が「実は事故を起こしたら費用全額自己負担だった。」そういったことを避けるためにお問合せ頂き会社選びのご参考にしていただければ幸いです。
この記事を読んだらわかること
☑︎ドライバーが事故した場合のタクシー会社の補償事情
☑︎タクシー業務中事故にあった!その時どうする?
タクシーの事故はどのくらい起きているのか?
タクシー運転手は一定以上の知識・技術を有したプロのドライバーですが、もちろん事故にあうこともあります。実際のところどの程度タクシーは事故を起こしているのでしょうか?まずはタクシーの事故発生の現状を知っておきましょう。ここでは、タクシーの事故数やどんな時の事故が多いのかなどをご説明します。
タクシーの事故数は年々減少傾向
国土交通省の報告によりますと、タクシーの事故は年々減少傾向にあります。平成20年にはタクシーの事故全体は年間24000件以上発生しましたが、令和1年には10996件にまで減っています。このうち大きく減少しているのは軽傷事故であり、重傷事故や死亡事故はほぼ横バイ状態である点も特徴的です。重傷事故や死亡事故の具体的な発生件数は次にお伝えします。(令和2年には7459件まで減少してますが、コロナによる行動制限に伴いタクシーの稼働台数も大幅減少しています)
出典元:自動車運送事業に係る交通事故対策検討会報告書(令和3年度 )https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001484060.pdf
死亡事故や重傷事故の件数は?
タクシーが絡んだ交通事故は平成20年から10年ほどかけて割と大きく減少していますが、気になるのが重傷事故・死亡事故の発生件数です。重傷事故は平成20年が年間1057件、平成29年が726件と減ってはいますが劇的な減少とは言えません。また死亡事故は平成20年が52件、平成29年が39件と、こちらも減っているとは言え横バイと言っても良い程度の推移です。
最も事故が多いのは直進時!
タクシーが交通事故を起こす場合に最も多いのは、統計的に言うと対他車事故です。これが事故全体の実に8割であり、そのうち最も多いのが出会い頭の衝突事故であると報告されています。次に多いのが対人事故で、その次に単独事故と続きます。運転中、最も事故が起こりやすいのは直進時であることもわかっています。なお、死亡事故の原因として最も多いのは人身事故で、全体の7割を占めるのだといい、しかも路上横臥中の事故が最も多いとされます。路上横臥中の事故とは、路上に横たわっていた人に接触してしまう事故を指します。
ドライバーが事故した場合のタクシー会社の補償事情
タクシードライバーが乗務中に事故を起こすと、所属しているタクシー会社の看板に傷をつけることになりかねません。会社は事故の過失割合や深刻度によっては乗務員にペナルティを課す場合もあるでしょう。中でもドライバーにとって気になるのは、事故・休業補償です。ここではタクシー会社はどの程度事故を補償してくれるものなのか見ていきましょう!
知っておくべき過失割合とは?
例えばタクシーが車両同士の物損事故を起こした場合、どちらがより悪いかを損害賠償額の比率でわかりやすく示したものを過失割合といいます。基本的には過失割合が大きい方が加害者的な扱いを受けることになります。ただ、タクシーの場合は運転のプロと見なされるので、場合によっては過失割合を厳しく判断される可能性もあり得ます。
車両の修理代はドライバーもち?
会社の規模によらず、多くのタクシー会社は業務中の交通事故に対して補償をしてくれるでしょう。しかし、補償金額に規定があったり事故の度合いや補償できる範囲に制限があったりするなど、会社によってその内容はさまざまです。大手タクシー会社は補償が手厚い傾向にありますが、それもケースバイケースと言えます。注意しなければならないのはこのように会社によって補償に対する取り組みの程度の違うことなので、転職先を決める前に事故補償が手厚いタクシー会社はどこなのか下調べをしておく必要があります。なお、事故を起こしたことに対して始末書提出等ペナルティを独自に設けている会社もあることを知っておきましょう。
運転手自身が事故でケガをした場合の休業補償は?
勤務中の事故などで乗務員がケガをしてしまって休業を強いられる可能性もあります。タクシー運転手はケガを負うと業務に支障がある仕事なので休まないわけにはいきません。そんな「まさか」に対応してくれるのが休業補償です。休業補償とは休業中にも給与を補償してもらえるというものですが、こちらも事故補償と同じで内容や貰える期間はタクシー会社によって差があるため、入社前に必ず補償内容をチェックしておきましょう。
タクシー業務中事故にあった!その時どうする?
万一事故を起こしても、所属する会社の事故補償によっては乗務員が自己処理費等を負担しなくても良いことをお伝えしてきましたが、そもそも万一乗務中に事故にあった場合、まずはどのような行動を取れば良いのでしょうか。ここではその手順をご紹介します!
何はなくともまず安否を確認
タクシー乗務中、事故を起こしたり巻き込まれたりした場合、確認できる状態であれば、まずは自分自身のケガの程度を確かめましょう。とにかく冷静になることが大切です。相手のある事故であれば、乗務員自身が体を無理なく動かせることを確認したあと、すぐに相手方の安否を確認します。事故の当事者たちがケガを負っている時などはためらわずにすぐに助けを呼びましょう。
警察への通報
事故の当事者がケガをしていたら救急車を呼びますが、すぐに警察へも通報しなければなりません。勤務中でも勤務外でも、交通事故を起こしたら警察に通報する義務がありますので、どんなに軽い事故であっても、対人・対物関係なく通報しましょう。届出を怠ると道路交通法で処罰される場合もあるほか、事故証明書が出ないため保険が下りません!
自社への報告
警察への通報ができたら、すぐに乗務員が所属するタクシー会社に報告しましょう。事故にあった時は誰でも冷静な判断をするのが難しいものなので、会社に報告をしてその後の行動についての指示を仰ぐことがきわめて重要です。事故後の車両の修理や通院・入院などに関しても会社の指示に従って手続きを踏むようにしましょう。
【まとめ】事故の際きちんとフォローのあるタクシー会社を選ぼう!
タクシードライバーは業務の多くを運転にあてているため、一定の確率で事故にあってしまいます。もちろんそれを可能な限り防ぐよう安全に留意することも義務ですが、起きてしまった事故に対しては適切に対処するよりほかありません。そこで大事になってくるのは、事故発生時の対策を所属会社がどの程度カバーしているかです。危機管理ができているタクシー会社、従業員目線の制度を整備している会社は、事故補償・休業補償を手厚くしているものです。これからタクシー業界に転職しようとお考えの方は、ぜひこのような補償に力を入れているタクシー会社を選んで採用試験を受けましょう。会社選びにお悩みの際は、一人一人の条件に合う最適な優良会社をご紹介しておりますプロのコンサルタント「プロタク」までお気軽にお問い合わせくださいね!
この記事のまとめ
☑︎タクシー会社はドライバーに保険加入を義務付けているほか事故補償・休業補償を導入しているところが多い
☑︎事故補償・休業の内容や程度は会社によって差がある
☑︎これからタクシー業界に転職する人は補償制度のしっかりしたタクシー会社を選ぼう!